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環境省、新型コロナウイルス対策に便乗、国立公園でのテレワーク整備等で115億円を補正予算案に計上。国費は感染予防や損失補填等に集中すべき(各紙)

2020-04-09 13:18:36

MOE112キャプチャ

 

 新型コロナウイルスに対処する政府の緊急経済対策に、環境省が、国立公園内で休暇(vacation)を兼ねて滞在して仕事(work)をする「ワーケーション」の活動を後押しするとして、2020年度補正予算案に関連経費計115億円を盛り込んだという。在宅勤務などでのテレワーキングは広がっているが、現在は一時的な避難措置であり、わざわざ国立公園に出かけて恒常的にパソコンに向き合うかどうか。国費の支出は、事業者の損失補填等の喫緊な支出に絞るべきではないか。

 

 朝日新聞が報じた。それによると、国立公園内のキャンプ場などにテレワークに必要な通信環境を整備するという。そのほかの対策と合わせて、7日に閣議決定された2020年度補正予算案に関連経費計115億円を盛り込んだ。小泉進次郎環境相も、アピールのため、国立公園と霞が関の環境省との間で、テレワークを試してみたという。

 

 新型コロナウイルス感染の拡大で、国立公園への観光客の来訪も大幅に減っている。このうち、屋外に設置されているキャンプ場など比較的感染リスクが低いとみられる。そこで同省では、感染収束後も、自然の中で息抜きをしながら仕事をするワーケーションが広まるとの想定で、約6億円かけて国立公園内のキャンプ場などに通信環境を整備するほか、関連ツアーの実施費用を支援する。

 

 また、国外から国内に生産拠点を移す企業が増えていることを受け、工場や店舗で消費する電力を、それらの屋根で太陽光発電設備を設置する事業者向けに、太陽光パネルの設置費用を支援するため、計50億円を盛り込む。収束後を見据え、飲食店に客足が戻るように高機能の換気設備の設置にも計30億円の補助を出す、としている。

 

 将来、国立公園をワーケーションの場として整備する必要があるという前に、むしろ霞が関に集中している国の行政機関を、各地に点在する国立公園にそれぞれ移転・分散させ、都市機能・行政機能の分散化と国難時のリスクヘッジ体制の整備をする方が望ましいのではないか。環境省には、コロナ感染拡大が収束した後に、その先陣を切る形で、北海道の国立公園に移動してもらってはどうか。

https://digital.asahi.com/articles/ASN476R54N47ULBJ001.html