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新型コロナウイルス対策。世界の人工呼吸器メーカーが、操作方法を短期習得できる共同のトレーニング・アライアンス(VTA)結成。オンラインアプリで提供。日本から日本光電が参加(RIEF)

2020-04-18 14:36:44

Allego2キャプチャ

 

  新型コロナウイルス感染対策で、世界的に不足している人工呼吸器の主要メーカーは、新たに呼吸器を扱う医療関係者等が短期間に操作方法を取得できるようにするため各社のトレーニングを集約して提供する、ベンチレーター・トレーニング・アライアンス(VTA)を結成した。日本からは日本光電が参加する。コンテンツはオンライントレーニングサイトのAllegoが提供するモバイルアプリで見ることができる。

 

 コロナウイルスの重症患者の治療に使う人工呼吸器不足がグローバルに問題化しているが、同時に、呼吸器を操作できる医療関係者も不足している。そこで、人工呼吸器メーカーは各社の機器の操作方法を集中してオンライン学習できる仕組みを整備した。

 

 VTAに参加した企業は、 ドイツのドレーゲル(Dräger)、米 GE Healthcare、スウェーデンのゲッテインゲ(Getinge)、 スイスのハミルトン・メディカル(Hamilton Medical)、米メドトロニック(Medtronic)、日本光電、オランダ・フィリップス(Philips)の各社。

 

スマホから簡単にマニュアルにアクセスできる
スマホから簡単にマニュアルにアクセスできる

 

  人工呼吸器は、新型コロナウイルス感染症のように重篤な呼吸器疾患のため、効果的な呼吸ができず介助を必要とする患者の治療に、重要な役割を果たしている。現存数は世界的に不足しているため、3Dプリンターでの製造を自動車メーカーや機械メーカー等も取り組んで増産に向かっている。だが、ハードの機器がそろっても、それを操作できる人を確保できるかがもう一つの課題だ。

 

 そこで医療現場で呼吸器を取り扱う呼吸療法士、看護師、その他の医療専門家等向けに、迅速に人工呼吸器のトレーニングノウハウを提供するため、企業の枠を超えた連携をすることとした。共同で提供する情報は、各社の多様な機器ごとの取り扱い方法のビデオのほか、マニュアル、故障時等のトラブルシューティング・ガイド、特にコロナウイルス患者向けの対応ポイントなどを学ぶことができる。

 

 VTAアプリのコンテンツは、Wi-Fiアクセスがほとんどない環境でも、iOSやAndroidデバイス、 ウェブブラウザ等からアクセスできる。このため、屋外に設置された臨時の医療施設等でも活用できる。またアプリは、マルチタスク実行時に多言語字幕や同音声を提供できるので、各国からのアクセスが可能という。

 

 VTAの議長に就任したメドトロニクスのPatrick Berges氏は「われわれは関係企業、代理店、産業を超えた協力によって、最前線で寸秒を争うように闘っている医療関係者の努力を支援し、ストレスを減少させるために、今回のスマートアプリの提供で貢献し、危機を乗り越えたい」と語っている。

 

 VTAアプリを提供するAllegeは、オンラインでの学習・準備プラットフォームのプロバイダーとして知られる。医療関係者には無料で提供される。

 

VTAアプリの概要はこちらの動画を参照可能。

 https://www.allego.com/resources/ventilator-manufacturers-unite-to-form-ventilator-training-alliance-during-covid-19-pandemic/