プラスチック廃棄物、グローバル飲食料企業4社の「ゴミ競争ランキング」公表。もっとも優秀はユニリーバ、コカ・コーラとペプシコーラはそろって1ケタ台(落第生)。英慈善団体が報告(RIEF)
2020-04-23 18:52:25
英慈善団体の「Tearfund」は、グローバルなプラスチック汚染拡大の元凶とされるペットボトルを使う飲食料大手のコカ・コーラやネッスル等の4社を対象にした「ゴミキャンペーン競争」の結果を公表した。昨年5月から今年4月までの4社のプラスチック容器削減、リサイクル等の取り組み状況を点数評価した。その結果、もっとも点数が高かったのがユニリーバ、次いでネッスルの順。コカ・コーラと、ペプシコーラはともに10点以下で低迷した。
Tearfundの評価は、①2020年末までに使い捨てプラスチック容器とその量を国ごとに報告する②2025年までに半数の容器を再利用可能なものに切り替える③2022年までに、途上国で販売される使い捨てプラスチック容器1つの販売当たり、1つを回収するーーの3条件についてのグローバルな取り組み・達成状況をチェックした。
その結果、100点満点で、ユニリーバが47点をあげて、最高得点。次いで、ネッスルの16点、コカ・コーラ8点、ペプシコ7点の順だった。最高点のユニリーバも、50点に満たず、合格点とは言えない。グローバルコーラ市場でしのぎを削るライバルのコークとペプシは、ともに一ケタ台という惨状。
①の報告では、4社ともグローバルな年次レポートを発行しており、それぞれ4点を獲得した。しかし、Tearfundはいずれも国ごとのデータを開示していない、と指摘している。②ではコカ・コーラがゼロ点、③ではペプシコがゼロ点とされた。
報告書は、ユニリーバとネッスルについては途上国でのプラスチック・フットポイントの削減への対応は高い、と評価する一方で、コカ・コーラとペプシコについては、「プラスチック汚染との闘いで必要とされる視点が基本的に欠けている」と厳しく批判している。
Tearfundの担当者のRuth Valerio氏は「コカ・コーラとペプシコはプラスチック危機を克服するうえで求められるレベルからはるかにかけ離れている。これらのグローバル企業こそが、使い捨てプラスチックを確実に削減し、再利用可能な代替パッケージに切り替えることが、今まさに求められることだ」と指摘している。
4社のリグテーブルは、22日の第50回アースデーに公表された。Tearfundの別のレポートによると、4社は、6つの途上国で毎年、50万㌧以上プラスチック廃棄物の発生に責任を負っているという。これらの量は、サッカー場に換算すると毎日83個分に相当する。発生するプラスチックを焼却処分にすると460万㌧のCO2が排出される。これらは200万台の自動車が排出するCO2量と同規模という。
「落第点」を得たコカ・コーラは「レポートの指摘は真剣に受け止める。われわれの製品が本来、あってはならないところに捨てられているのを見たくはない。われわれのゴールは、すべての廃棄された容器類を見つけて、回収することだ。われわれはプラスチック廃棄物問題を過去のものとするためのソリューションの提供に責任を負っている」とコメントしている。
ペプシコも同様に、「われわれのゴールは2025年までにすべての容器をリサイクル可能か、生分解可能か、あるいはバイオ素材に100%切り替えることだ。同時に、新規プラスチックの使用は同年までに35%まで削減したい。今後もTearfundと対話を重ね、どのようにしたら課題解決を進められるかを協議していきたい」としている。
言葉よりも、行動だ。消費者は「行動しないブランド」を拒否する権利がある。