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英国、10月1日から、使い捨てストロー、プラスチック綿棒等の使用を全面禁止。コロナウイルス感染の影響で4月実施を半年延期後、予定通りの実施。今後の禁止対象範囲が焦点(RIEF)

2020-10-01 00:18:58

Defra002キャプチャ

 

 英国は10月1日から、使い捨てプラスチックストロー等の使用禁止を実施する。当初、4月からの実施予定が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されていた。コロナ再拡大の影響で再延期論もあったが、英食糧環境農林省(Defra)は予定通りの実施に踏み切る。英国の規制は、身障者等の利用を例外とするが、お店の大きさや、使用種類等による例外規定はない。

 

 英Defraの規制は昨年5月に除外の法的措置が講じられていた。対象となるのは、ストローのほか、綿棒、飲み物をかき混ぜるスターラー。どの企業も店舗も適用対象となる。ただ、身障者や医療的に必要とされる人には、レストランやバー、病院等は提供が認められる。それ以外は、紙製ストロー等に切り替えるか、ストローなしとなる。

 

Defraキャプチャ

 

 新型コロナウイルス感染が始まる前のDefraの試算では、この規制で、年間50億本のストローの使用を削減できるほか、スターラーは3億本削減、プラスチック棒付きの綿棒の削減は20億本とみていた。ただ、コロナ感染後の現在は、ストローやスターラーを顧客に提供する航空機やナイトクラブ等の営業が低迷しているので、プラスチック製品の使用量も全体的に減っているとみられる。

 

 すでに飲食店やスーパーマーケット等では、規制対応が完了している。環境NGOの「City to Sea」は、「今回の政府の措置は適切だ。廃プラ汚染を引き起こすもっとも問題な商品を禁止したことは評価される。ただ、今回の措置は『大海の一滴』。廃プラによる海洋汚染に対処するには、早急に禁止対象を拡大する必要がある」と指摘している。

 

 今回の法規制は、EUの2025年を目標として、非必須品のプラスチック製品を販売や流通から撤去するとする「EU指令」に適合する形で実施された。だが、英国のEU離脱によって同指令を根拠とした国内法整備が今後は実現できなくなる。EU指令は、ストローだけではなく、プラスチック製食器、コップ、風船のスティック等も禁止対象としている。

 

 EUでも、いくつかの産業団体から、コロナウイルス感染の影響で、健康配慮を優先して、プラスチック製品の禁止措置を停止すべきだとの声も上がっている。しかし欧州委員会は予定通りに実施する方針だ。すでに先行する形で、米ニューヨークやカリフォルニア州やアフリカ・ケニア等では禁止措置が実施されている。

 

日本では、プラスチック製品の使用禁止ではなく、レジ袋の有料化などの初歩的な規制を導入しただけ。廃プラ減少の追加政策は見えていない。

https://www.gov.uk/government/organisations/department-for-environment-food-rural-affairs