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スズキ、世界初の船外機用マイクロプラスチック回収装置を開発。航行時に水面周辺のプラスチックごみを回収。2021年から販売へ。SDGsに貢献、ビジネス拡大にも(RIEF)

2020-10-02 16:24:02

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 スズキ(浜松市)は1日、海洋のマイクロプラスチック汚染問題に対処するため、船の船外機に取り付け可能なマイクロプラスチック回収装置を開発した。船外機がエンジン冷却のために大量の水をくみ上げて冷却後に戻す構造を利用し、同機にフィルターを取り付けて回収する。世界中の船に同装置の設置を義務付けると、航行のたびに、水面周辺のマイクロプラスチックを回収できることになる。

 

 同社は2020年から、海洋プラスチックごみに焦点を当てた新たな取り組み「スズキクリーンオーシャンプロジェクト」を始動している。今回の船外機による回収装置の開発はその一環。すでに6月生産の一部製品の梱包に代替材料を試験的に採用し、市場での評価確認作業を進めている。

 

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 船外機の冷却用にくみあげた水を、元の水面に戻す際の戻り水用ホースに装置を装着する。装着作業は簡単にでき、船外機の走行性能にも影響しない。これまでに実施したモニタリング調査では、フィルターに溜まった回収物に含まれるマイクロプラスチックを確認できた。モニタリング調査は海外でも対象を広げて実施しており、さらに改良を重ねていく。

 

 同社では、2021年から同装置をオプション用品として、同社の船外機に設置するほか、将来的には標準装備とすることも検討中という。また、スズキ船外機の純正部品も10月出荷分から、梱包資材に使われているポリエチレン製の袋やフィルム類の一部を、紙製素材に置き換えて年間約2.3㌧のプラスチックごみの削減を見込んでいる。

 

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 世界中のボートや船舶にこうした回収装置の設置を義務付けることも考えられる。スズキでは「オーシャンプロジェクト」を、SDGs(持続可能な開発目標)が示す社会課題の解決に向けた同社の具体的な取り組みとしており、船外機のブランドスローガンとする「THE ULTIMATE OUTBOARD MOTOR (究極の船外機)」を環境面でも追求していく、と強調している。

https://www.suzuki.co.jp/release/c/2020/1001/