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国連の生物多様性条約(CBD)、5月予定の第15回生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)を再延期へ。新型コロナウイルス感染収束見えずと判断。再延期時期は未定(RIEF)

2021-03-07 23:06:27

CBD002キャプチャ

 

   国連の生物多様性条約(CBD)事務局は、5月に実施予定の中国での第15回締約国会議(COP15)を再延期することを明らかにした。COP15は当初、昨年10月の開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、5月に延期されていた。このため再延期となるが、現状では開催時期は明示されていない。

 

 延期されたCOP15は、中国の昆明で5月17日から30日まで開く予定だった。会議の最大のテーマは、2010年に名古屋市で開いた第10回締約国会議(COP10)で定めた「愛知目標」を改定する「Post 2020 global biodiversity framework」の策定だ。中国生態環境部の幹部は1月末の時点では「準備作業は順調」としていた。だが、コロナ禍が各国でまだ収まらないことや、中国自身が入国規制を継続していることなどから、国連の生物多様性条約(CBD)事務局は再延期を決めた。

 

 愛知目標の達成状況を検討した昨年公表の「地球規模生物多様性概況第5版(5th Edition of the Global Biodiversity Outlook:GBO-5)」によると、愛知目標が2050年に自然と共生する世界を実現するために、2020年までに達成すべきとして掲げた20項目の目標のうち、14項目が「達成されなかった」と評価されるなど、多くの目標未達が確認されている。https://rief-jp.org/ct12/106604

 

 会議の再延期は、コロナ禍が収まっていないことが最大の理由だが、2030年までの次の10年を見据えた「ポスト2020」の枠組みの議論が難航していることもうかがわせる。現在の原案では、2050年に向けた4つの長期目標と、20の行動ベースのターゲットを設定している。さらに、愛知目標の達成が不首尾となったことの反省として、各国に達成状況の報告を求める指標を伴うモニタリングフレームワークの設定も目指している。

 

 CED事務局は、目標達成を推進するための「金融エンゲージメントプログラム(FEP)」も立ち上げた。定める目標を現実化するための官民の資金供給活動の展開を目指す。FEPは5月に金融機関向けのワークショップを開催する。COP15で「ポスト2020」が合意されて各国国内法整備が進むことで、金融機関が条約に基づき、経済活動に対して生物多様性保全取り組みの評価を担うことが期待されている。

 

 CBDでの取り組みと並行する形で、官民で推進する「Task Force on Nature-related Financial Disclosures (TNFD)」の取り組みも、金融面から生物多様性・自然保護リスクを金融機関が評価し、企業にそれらのリスク情報の開示を促す活動として進められている。http://rief-jp.org/ct12/105016

https://www.cbd.int/convention/