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国連の生物多様性条約(CBD)の中国・昆明開催のCOP15、10月半ばに再延期決定。コロナ禍の影響見極めで、5月の開催を見送り(RIEF)

2021-03-21 12:36:22

CBD001キャプチャ

 国連の生物多様性条約(CBD)事務局は、5月に実施予定だった中国で開催する第15回締約国会議(COP15)を10月に再延期すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大の収束を見極める必要があるとの判断で再延期を決めた。11月には延期された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が開催予定で、大規模な国際会議は、秋にシフトすることになる。

 

 CBDの事務局長、エリザベス・マルマ・ムレマ(Elizabeth Maruma Mrema)氏は18日、5月に中国・昆明で開催予定だった COP15について、新型コロナウイルス感染についてのグローバルな感染抑制の状況を見極めるため、10月11~24日に延期すると発表した。同会議は、当初昨年10月の予定だったが、ウイルス感染対応で、5月に延期されていた。再延期により、ほぼ1年遅れることになる。

 再延期されるCOP15の最大のテーマは、2010年に名古屋市で開いた第10回締約国会議(COP10)で定めた「愛知目標」を改定する「Post 2020 global biodiversity framework」の策定になる。「ポスト愛知」の目標としては、地球上の陸上と海洋の各30%を保護するや、海洋汚染プラスチック対策、外来種のコントロール等が対象となる。

 

 ただ、10年前の愛知目標の達成状況を検討した「地球規模生物多様性概況第5版(5th Edition of the Global Biodiversity Outlook:GBO-5)」によると、愛知目標が2050年に自然と共生する世界を実現するために、2020年までに達成すべきとして掲げた20項目の目標のうち、14項目が「達成されなかった」と評価されるなど、多くの目標未達が確認されている。https://rief-jp.org/ct12/106604

 

 科学者たちは、地球上の生物が大量絶滅する第6期がすでに始まっていると警告している。これまで地球上では5期にわたって、大量絶滅の時期が起きている。最後の第5期は約6600年前の白亜紀期で、同期に恐竜等が絶滅したとされる。現在、起きていると想定される第6期は、われわれ人類が原因とされる。温暖化の加速、生物多様性の損失、生態系の破壊等、人類が引き起こした地球の生態系への過剰負荷だ。

https://www.cbd.int/article/new-dates-cop15-october-2021