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リサイクルベンチャーの「テラリサイクルジャパン」とWWFジャパン、使用済み漁網回収・再生の「漁具リサイクル」活動で合意。漁業組合や自治体、企業を巻き込んでネットワーク化(RIEF)

2021-08-13 09:52:11

WWF001キャプチャ

 

  米リサイクルベンチャーの日本法人「テラサイクルジャパン」(横浜)は世界自然保護基金(WWF)ジャパンと連携し、海洋汚染で問題となっている放棄漁網などを回収・再生する「漁具リサイクル」を展開することで合意した。両者は、各地の漁業協同組合や自治体と連携して使用済み漁具を回収し、再生プラスチック化する。

 

 太平洋上には、日本を含む周辺国から流出した世界最大規模の漂流ゴミがたまる「太平洋ごみベルト」の存在が知られる。そのゴミのうち、総重量の46%が漁具だという。漁具は主にプラスチックで作られており、いったん海洋中に放棄されると非常に長い間存在し続け、海洋生物に深刻な悪影響を与える。これらの流出漁具 は「ゴーストギア(幽霊漁具)」とも呼ばれている。

 

 日本でも年間推定約5000㌧の廃棄漁網が生じているという。政府はプラスチック資源循環戦略の重点戦略として「漁具等の陸域回収徹底」を盛り込んでいるほか、水産庁も漁具の適切な管理やリサイクル技術の普及の必要性を指摘している。ただ、使用済み漁網の回収や、すでに放棄されて漂流ゴミ化している漁具の回収等の具体的な対策はとっていない。

 

放置漁具に絡まって身動きできなくなった海がめ(WWFより)
放置漁具に絡まって身動きできなくなった海がめ(WWFより)

 

 テラリサイクルとWWFは これらの使用済み漁網の回収・リサイク ルを促進する取り組みのネットワークを作ることを目指す。今回の合意で、両者は地域の漁業協同組合や自治体などと連携し、使用済み漁網を回収し、それらを一度、再生ペレットに戻す。さらに活動に協賛するスポンサー企業の協力を得て、再度、製品化する。

 

 リサイクルされた再生製品の売り上げの一部は WWFに寄付される。使用済み漁網の回収・再生だけでなく、漁業協同組合等と連携し、漁具の適正な管理体制を構築していくとしている。WWFは他のNGOとともに、日本政府に対し漁具の流出防止、流出した際の被害軽減、回収・再生利用 の体制の確立を求めていく。

 

 両者は、今回の活動に協賛するスポンサ ー企業等を募集している。米ベンチャーのテラサイクルは、歯ブラシやたばこの吸い殻、漂着ゴミなどをプラスチック材料に戻して企業に提供する事業を展開している。WWFジャパンも廃プラスチックの回収、削減等の活動を展開している。

 

https://s3.amazonaws.com/tc-global-prod/download_resources/jp/downloads/15240/PressRelease_WWF_TerraCycle_Japan_20210803.pdf