一般社団法人環境金融研究機構 | Research Institute for Environmental Finance: RIEF

 

【リオデジャネイロ２１日ロイター時事】歌手のポール・マッカートニーさんや俳優のロバート・レッドフォードさん、英実業家でヴァージン・グループ創設者のリチャード・ブランソンさんなど１００人の著名人は２１日、北極圏での原油掘削や持続不可能な漁業に反対する環境保護団体グリーンピースの運動に支持を表明した。北極圏では石油大手の英シェルが試掘を始める準備を進めている。

 

　グリーンピースは、これら著名人は北極周辺の非居住地域を汚染から守るよう求めていると述べた。

 

　この運動は、北極圏に世界的な保護区を設け、原油掘削や持続不可能な漁業活動を禁じる国連決議を採択するよう各国に求めている。南極では２０年前に同様な保護区が設置され、鉱業界による掘削が禁止となった。

 

　グリーンピースは運動の一環として、同団体は北極点の氷の下２．５マイル（４０００メートル）の海底にスクロール（巻物）を据え付ける計画で、この巻物の冒頭には１００人の著名人の名前が記され、あと１００万人の署名が集まったら海底に置かれる。

 

　リオデジャネイロでは現在、「国連持続可能な開発会議」（リオ＋２０）が開催中だ。今週、事務レベルで準備された草案は、依然として修正の可能性があるが、北極点周辺に保護区を設置する可能性を盛り込んだ海洋保護計画を先送りしている。

 

　専門家たちは、北極地域が地球温暖化の影響を特に受けやすいと指摘している。地球の平均気温が上がると、北極の氷が解け、海面上昇が起きるとされる。

 

　シェルは今夏、アラスカ北極圏の沖合２カ所で試掘を始める計画。ロシアのガスプロムと米エクソン・モービルはロシアの北極圏にあるカラ海の３地域で石油探査を行う契約を結んでいる。