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フランス政府、1日からスーパー等での野菜・果物のプラスチック包装禁止措置を施行。キューリやバナナなど30種の青果物が対象。2040年までに使い捨てプラスチックの全面使用禁止へ(RIEF)

2022-01-02 13:19:34

Frenchcucumberキャプチャ

 フランスは1日からスーパー等で販売される野菜や果物のプラスチック包装を禁じる法律を施行した。プラスチック廃棄物減少のために、全体で30種類の青果物をプラスチックフィルム等でカバーして販売することを禁じる。マクロン大統領は「これこそ真の革命だ」と強調し、2040年までにすべての使い捨てプラスチックの使用を法律で禁じることを目指す。

 

 (写真、一本一本、プラスチックフィルムで包装されたキューリも1日からは禁止)

 フランスの今回の青果物プラスチック包装の禁止に追随する形で、スペインも2023年から同様の措置を導入することを決めている。両国の環境NGO等は、他のEUの国々だけでなく、世界の国々が同様の措置をとるよう呼び掛けている。

 使用禁止の対象になるのは、スーパーや小売店で販売される青果物を包む使い捨てのプラスチックシートやパック容器等だ。対象の青果物は、キューリ、ニンジン、リンゴ、バナナなどの一般的な食品。1.5kg以上の重量のあるものや、細断加工した果物パック等は対象外とする。

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 粒の小さいチェリートマト、ラズベリーやブルーベリー等のように、一盛をパック包装して売られるような商品等はプラスチック以外の包装素材を開発するための猶予期間を与えられる。しかし、2026年までには、すべての野菜と果物の包装にプラスチックは使えなくなる。

 フランスでは2021年時点で、野菜・果物の37%はプラ包装されて販売されたという。同国政府は今回の禁止措置で、年間約10億件以上の使い捨てプラ包装の使用を防ぐことができると見込んでいる。生態系移行相(環境相)のBarbara Pompili氏は「日常生活で使っている膨大な使い捨てプラスチックを抑制しなければならない」と指摘している。

 WWFフランスの2019年の調査では、フランス人の85%は製品や包装に、使い捨てプラスチックを使用することを禁じることに賛成しているという。さらに200万人以上の市民が、世界の政府に使い捨てプラスチックの使用禁止措置を講じることを求めるWWFの陳情書に署名している。消費者だけではない。商品を販売するお店の側も、一本のバナナでも個別包装しなければならない状況に不満を示してきたという。

 フランスのNGOのZero Waste FranceのMoïra Tourneur氏は「政府の使い捨てプラスチックの法規制は適切であり、良いことだ。ただ例外リストが多いことと、猶予期間が長いことには驚いた。もっと迅速な対応が必要だ」と指摘している。

 WWF FranceのPierre Cannet氏は「政府の対応は前向きなメッセージであり、国民の関心の中心にプラスチック問題を提起したことは評価できる。しかし、まだやらねばならないことが多くあり、慎重に注意深くならねばならない。『プラスチック無しの経済』には、まだ非常に遠い段階にいる」と述べ、「第一歩」に過ぎないことを強調している。

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