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汚染進む米国の海辺、毎年350万人が健康被害に(AFP)

2012-07-02 18:28:03

フロリダの海岸
フロリダの海岸


【6月30日 AFP】米国では毎年、海辺を訪れた350万人が海水に混ざり込んだ汚水が原因で健康を害している――米環境保護団体「天然資源保護協議会(Natural Resources Defense CouncilNRDC)」が27日に発表した報告書で警告した。

 NRDCは毎年、全米3000か所の海辺で水質サンプルの微生物検査を行い、その結果によるランク付けを実施している。今年の報告書は、15か所の海辺を水質汚染ランキングの「常連」として名指しした。これにはルイジアナ(Louisiana)州内のビーチ4か所の他、カリフォルニア(California)州南部のアバロン・ビーチ(Avalon Beach)とドヘニー・ステート・ビーチ(Doheny State Beach)、さらにオハイオ(Ohio)、イリノイ(Illinois)、ニュージャージー(New Jersey)、ニューヨーク(New York)、ウィスコンシン(Wisconsin)各州の海辺が含まれている。

 報告書によると、水質が悪化したビーチを対象にした前年1年間の閉鎖措置や水質改善勧告は、同調査が始まってからの22年間で3番目に多かった。

 米国内の海辺の水質汚染の原因で最も多いものは、汚染された雨水の流入だ。「雨が降れば、雨水はごみや化学薬品、油、動物のふんなど、私たちの周辺の様々な物とともに街路から下水に流れ込み、最終的に海辺に流れ着く」とNRDCの水関連事業責任者、スティーブ・フライシュリ(Steve Fleischli)氏は説明する。

 米環境保護局(US Environmental Protection AgencyEPA)によると、下水からあふれ出し、未処理のまま海に流入する雨水の量は毎年10兆ガロンに上る。こうした汚水との接触が原因で何らかの症状を起こす人の数は毎年、350万人に上るという。海水汚染が原因の健康被害は、胃腸炎や皮膚の発疹、耳鼻咽喉系の障害、目の充血といったものから、赤痢、肝炎、呼吸器系疾患、その他深刻なものまでさまざまだ。

 一方、NRDCは水質が最も高い海辺も発表している。そのトップ3は、デラウェア(Delaware)州のデューイ・ビーチ(Dewey Beach)、ニューハンプシャー(New Hampshire)州のハンプトン・ビーチ州立公園(Hampton Beach State Park)とウォリスサンズ・ビーチ(Wallis Sands Beach)だった。

 人気の高いフロリダ(Florida)州からトップ12位内にランク入りしたビーチはなかった。

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2886829/9186542