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住民、有毒物質汚染を懸念=中国の銅合金工場、建設中止に(Reuters)

2012-07-05 07:31:41

街頭で銅合金工場反対のデモ行進をする住民(2012年7月3日、中国四川省什ホウ市)
【北京3日ロイター時事】中国四川省什ホウ(=方の右にオオザト)市当局は3日、3日間にわたる住民の抗議行動を受け、銅合金の精錬工場の建設計画を撤回した。住民らは有毒物質による環境汚染を懸念していた。中国では環境上の懸念をきっかけとした抗議行動がたびたび起こっている。

街頭で銅合金工場反対のデモ行進をする住民(2012年7月3日、中国四川省什ホウ市)




 什ホウ市は当初、計画を凍結するとしていたが、抗議行動の圧力に屈し、計画を取りやめると発表した。同市はミニブログの新浪微博に、「銅モリブデン合金工場が建設されないことになった」との声明を掲載した。同市は「現時点で、大衆的出来事(中国語で『群体性事件』)はほぼ収束し、大半の人々は四散した」と述べた。「群体性事件」は、政府が抗議活動を指すときによく用いる言葉だ。

 デモ参加者は週明け2日に暴徒化した。香港メディアによると、何万人もの住民が市庁舎に乱入したり、警察車両を破壊したりして、何千人という機動隊員と衝突したという。

 18歳の女性販売員は政府の建設中止発表前に、匿名を条件にロイター通信の電話に応じ、「什ホウ市には非常に大勢の人々がいる。われわれは彼ら(当局)を恐れない」と述べ、「市民は決して屈服しないだろう」と語った。この女性は警察が2日夜、抗議行動参加者に暴力を振るっていたと非難した。警察のコメントは得られていない。

 中国の環境活動家はここ数年、多くの建設プロジェクトとの闘いで成功を収めている。経済成長を促進する一方で社会的安定を維持することに幹部が躍起になっている一党支配の国で、活動家は市民とのコンサルテーション(事前協議)をもっと重視するよう繰り返し求めている。

 同国北東部の大連市では2011年8月、何千人ものデモ参加者が有毒物質パラキシリレンの工場を閉鎖に追い込んだ。住民らは同市の広場でデモ行進を行った。また福建省アモイ市は、何千人もの人々による抗議活動があったことを受け、08年に同様のプロジェクトの撤回を余儀なくされた。

 

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2012070400389