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宇宙ごみ対策で望まれる国際ルール 策定完了は数年後か(CNN)

2012-07-07 05:26:21

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(CNN) 欧米など世界の主要国による宇宙開発が進むなか、人工衛星やロケットの残がいをはじめとする「宇宙ごみ」問題への関心が高まっている。衝突などの危険を避けるために国際的ルールの策定作業が始まったが、最終的な文案の完成は数年後になるとみられる。

クリントン米国務長官は今年、欧州連合(EU)が主導する「宇宙活動の国際行動規範」の策定に米国も参加すると発表した。

世界では現在、11カ国がロケット打ち上げ能力を持ち、60以上の国が計1100機以上の人工衛星を所有、運用している。これらの衛星は軍事面以外に、テレビや携帯電話、クレジットカードなどを通して市民の日常生活に深くかかわっている。

こうした人工衛星にとって大きな脅威となっているのが、増え続ける宇宙ごみだ。中国が2007年に実施した衛星破壊実験で大量の破片が飛び散り、脅威はさらに拡大した。ローズ米国務副次官補はCNNとのインタビューで、このまま10~15年間放置すれば、低軌道は危険すぎて周回できなくなり、市民の生活に多大な影響が出るとの懸念を示した。

国防総省が宇宙空間で現在追跡している10センチ以上の物体は約2万2000個。そのほかにも小さくて追跡の難しい無数の物体が、時速約2万8000キロの速さで飛び交っている。つい最近も国際宇宙ステーションに宇宙ごみが迫り、滞在クルーが避難区画に入る場面があった。

米カリフォルニア州にある統合宇宙運用センターでは、他国の人工衛星や商業衛星に宇宙ごみが接近する場合、運用者に対して通知をしている。

宇宙空間での国際的、体系的なルールを確立する必要性が高まる一方、米国内には、国際行動規範への参加が宇宙空間における兵器システムの開発を不必要に制限することへの懸念も根強い。これに対して米政権幹部らは、国際行動規範をめぐる多国間交渉はまだ初期段階にあるうえ、成立後も法的拘束力はないと説明している。

 

http://www.cnn.co.jp/fringe/30007221.html