HOME |秋田県で国内初のシェールオイル試掘へ 石油資源開発が来年にも(各紙) |

秋田県で国内初のシェールオイル試掘へ 石油資源開発が来年にも(各紙)

2012-07-07 05:56:15

japexlogo
各紙の報道によると、政府系の石油資源開発は6日、秋田県由利本荘市の「鮎川油ガス田」で早ければ来年には、「シェールオイル」の試掘に乗り出すことを明らかにした。米国などで開発が進んでいるシェールオイルだが、日本国内での本格的な開発は初めてとなる。

  同社によると、シェールオイルの埋蔵が確認されているのは、同油ガス田の地下1000~1500メートルにある、頁岩(けつがん)と呼ばれる粘土質の岩盤層。付近の地層で十数年にわたる石油や天然ガスの採掘作業の中で、存在が明らかになっていたという。これまで存在は確認されながら採掘は難しいとあきらめられていたが、技術の進歩で採算性が見込めると判断した。

 シェールオイルは頁岩の中に閉じ込められており、通常の石油のように地層の間に貯留していないため、パイプで掘削しても自噴しない。これまで、採掘は不可能と考えられていた。だが、米国で水平採掘や水圧を使って岩を砕く技術が発展し、採掘コストも低下している。同社は、日本国内でも開発しても「採算に見合う可能性が高まった」として、試掘に踏み出す。

 シェールオイルの分布を調べるため、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の補助金交付を受け、探鉱作業を本格化させる。500万バレル程度の採掘が見込める地層が見つかれば、試掘のうえ、来年にも試験生産に着手する計画だ。シェールオイルは広範囲に分布するのが特徴。同社は、周囲地域でも埋蔵が有望視されるとして、探鉱作業のエリアの拡大も検討中だ。これらを合わせれば、国内の年間石油消費量の数%に当たる1億バレルの採掘も視野に入るという。