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シリアがクラスター爆弾を使用(JCBL)

2012-07-16 07:48:54

昨日(12日)、シリアがクラスター爆弾を使用したことが明らかになりました。以下は、CMCによる発表です。
 

 2012年7月12日、シリア政府軍がクラスター爆弾を使用しているという情報が入りました。クラスター兵器連合(CMC)は、シリア西部の都市、ハマー近くのジャバル・シャシャブ(Jabal Shahshabu)で、クラスター爆弾の子爆弾が発見されたとの報告に憂慮しています。この情報を裏付けるものとしては、インターネット上に2本の映像-少なくとも15の子爆弾と巨大なクラスター爆弾コンテナー(子爆弾が入った親爆弾の容器)が映し出されています。CMCはシリア政府に対し、これらの報告について詳細に調査し、その調査結果を国際社会に公開するよう求めました。

 

 CMCメンバーである国際NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチによると、シリアで使用された子爆弾はソビエト製のAO-1Schであると確認されています。また、コンテナーについては、RBK-250シリーズの一種であると思われ、こちらもソビエト製、そして戦闘機によって持ち運ばれたものと確認されています。

 

 CMC代表のローラ・チーズマンは、「もしこの報告が事実だとすれば、シリア政府はシリア国民に対してさらなる残虐行為を行っていることになります。クラスター爆弾のような使用を禁止されている兵器は、使用時だけではなく、紛争後何年たっても破壊力が衰えず長期に渡る影響力をもち続けます。これは、シリアに暮らす国民がずっと被害を受け続ける、ということです。シリア政府はこの事態を深刻に受け止め、事実調査をすべきです。」と述べています。

 

 無差別で不確かなクラスター爆弾については、2008年、世界111ヵ国という多くの国々の参加によって、その使用・生産・貯蔵・移譲を禁止する「クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)」が調印されました。シリアの隣の国であるレバノンとイラクの両国はすでに同条約に署名しています(ただし、イラクは未批准)。

 

 今年9月、ノルウェーのオスロで開催予定の第3回オスロ条約締約国会議に、CMCは100以上の国の代表者とともに参加します。

 

 シリアはまだオスロ条約の締約国ではありませんが、過去にクラスター爆弾を使用したことはありません。また、シリアはクラスター爆弾を生産したことはありませんが、同兵器を輸入し貯蔵していました。