神宮外苑まちづくり:不都合な実像(What they don't want you to know about the Jingu Gaien redevelopment plan)(ロシェル・カップ)
2023-07-17 23:39:54
東京・神宮外苑の再開発問題で、事業者の三井不動産等の説明では、再開発の影響が十分に示されていないとして、同計画の中止を提案しているロッシェル・カップさんが、米国の建設設計事務所に依頼して作成したCGモデルをユーチューブで公開した。建設が予定される200m近いビルが、外苑のイチョウ並木を上空から威圧する形となることや、聖徳記念絵画館等が新築で大型化するスポーツ施設によって埋もれてしまう光景が浮き上がっている。
(写真は、㊤のレンガ色がCGによる建設予定の図。㊦の白色が現状の外苑の状況)
以下は、カップさんによるCGモデルを使った説明の内容。
再開発の事業者が公開している、神宮外苑再開発のパース図は、意図されたものなのか、俯瞰する角度で描かれています。そのため、全体のスケールや建物の高さなどのインパクトが抑えられ、一体どれほどの大規模な開発が行われて神宮外苑が激変してしまうのか、本当の姿をつかむことができません。 そこで、この巨大プロジェクトを正確に実感できるように、米国の建築設計事務所バーマン・デザイン(BermanArchitecture.com)に依頼し、CGモデルとそれに基づく動画を作成しました。
神宮外苑の現況に関するデータ、東京都のウェブサイトで公開されている事業計画のデータ、あるいは閲覧公開されている計画の概要データをCGモデルに落とし込み、様々な角度から神宮外苑の現在と開発後の姿を比較しながら眺めることができます。
バーマン・デザインは、グーグル・アースからのコンテキスト情報を取り入れました。 下が現在の神宮外苑、上が開発後の姿です。現状の建物は白、開発後の建物はテラコッタ色で表現しています。
(0:47) 最初のビューポイントは、新国立競技場の上から南の方向を見た眺めです。 手前の大きな建物が屋根つきの新ラグビー場で、その向こうに新野球場と高層ビル群が立ち並んでいます。
(0:57) 次に、聖徳記念絵画館前から青山通り方向を見た眺めでは、左手に新テニスクラブ、右手に新ラグビー場、その向こうに新しい高層ビルと野球場が見えます。
(1:06) こちらは神宮球場上空からラグビー場方向を見たところです。 ラグビー場の敷地は、開発後は併設のホテルや高層ビルに取り囲まれた野球場になります。 銀杏並木はその影に入っています。
(1:16) 噴水の丸池から南に向いて青山通り方向の銀杏並木を見たところです。 右手に新野球場と高層ビル群が見えます。
(1:27) 反対に噴水の丸池から北に向いて絵画館方向を見たところです。 両サイドにテニスコート、右にテニスクラブ、左には大きな新ラグビー場が見えます。
(1:37) 銀杏並木のすぐ東側にある都営アパートの上空からの眺めです。
(1:47) 同じく都営アパートの南側上空から、今度は北に向いて絵画館方向を見たところです。 建物のスケールの大きさとその圧迫感に注目してください。 野球場の壁が銀杏並木のギリギリに迫っています。
(1:57) 同じく都営アパートの北側上空から、新国立競技場方向を見たところです。 巨大な建物が並び、絵画館が小さく見えます。
(2:07) 外苑前駅の上空から見た眺めです。 野球場は高層ビルにとり囲まれています。
(2:17) 銀杏並木の南の青山通りの交差点から、人の目の高さから見た眺めです。 見てきたように、この再開発によって神宮外苑の姿は大きく変わってしまいます。 周辺の景観へ与える影響が甚大であることがわかります。 情報が十分に公開されず、私たち市民との協議もなく決定された巨大な再開発は、 多くの環境破壊や住民被害の問題を抱えたまま進んでいます。 このまま神宮外苑の環境や景観の破壊を許してはなりません。 いったん工事を中止して、立ち止まり、見直すべきなのです。
https://www.youtube.com/watch?v=omACBRQyEWE