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米退役軍人らが国防総省の代替エネ計画を擁護(Reuters)

2012-07-26 09:14:29

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【ワシントン24日ロイター時事】米国の退役軍人や元連邦議員らは24日、国防総省の代替エネルギー計画への連邦予算削減問題で、外国産の石油への依存を打破できなかったことが過去22年間における米国の戦争での重要な要因になっているとし、同計画への予算を継続するよう求めた。この要求はオバマ大統領と連邦議員への書簡の形で出されたもので、その内容は24日付の主要紙に広告として掲載された。

 ジョン・ウォーナー元共和党上院議員を中心とするグループはこの中で、「米国と世界の経済の安全保障が不安定な地域で産出された石油に依存している限り、米国の軍隊は死活問題となるエネルギー資源を確保するために、軍事的展開と危険な任務を続けなければならない」と主張した。

 米議会では軍のバイオ燃料計画への批判が持ち上がり、一部の議員は通常の石油よりコスト高となる代替エネルギーを対象にした予算を阻止しようとしている。

 議員らは軍が代替エネルギーに支払っている高い価格に怒っている。例えば海軍は、空母機動部隊を基本的に代替燃料で動かそうという「グレート・グリーン・フリート」の最近の演習に約1200万ドル(9億4000万円)を使った。2日間の演習では、バイオ燃料に対してガロン(3.8リットル)当たり約26ドルが支出された。この燃料は5対5の割合で石油と混ぜられて使われたが、こうして作られた燃料のコストはガロン当たり約15ドルとなる。

 また、空軍は6月、テスト用のアルコールベースのジェット燃料(ATJ)に同59ドルを支払った。

 しかし、軍当局者は、石油価格がバレル(159リットル)当たりで10ドル上昇すれば、国防総省の年間石油代金は約13億ドルも膨らむことになると指摘している。

 軍の代替燃料への支出に懐疑的な目を向けているジム・インホフ上院議員はメイバス海軍長官に宛てた書簡で、テキサス、ルイジアナ両州からハワイまでのバイオ燃料輸送費も含めた、グリーン・フリートのデモの総費用の詳細を示すよう求めた。

 一方、大統領や議会に宛てた書簡に署名した1人である、アンソニー・ジャクソン元海兵隊少将は、石油はバイオ燃料より安いかもしれないが、それには米国民が過去20年間におけるさまざまな戦争で兵士の血と国の資金が犠牲になっていることが含まれていない、と強調した。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2012072500375