HOME |日本ペイント、環境負荷少ない塗料 工期も半減 (各紙) |

日本ペイント、環境負荷少ない塗料 工期も半減 (各紙)

2012-08-15 08:38:03

nihonpaint_logo
各紙の報道によると、日本ペイントは環境負荷の少ない屋外鉄構物用塗料を開発した。シンナーなど有機溶剤の代わりに水を使い、揮発性有機化合物の排出量を従来より9割減らした。水は乾燥が早く、工期を2日に半減できる利点もある。月内に販売を始め、5年以内に5億円の売り上げを目指す。


 開発したのは、橋や工場プラント、タンクに塗り、鉄がさびるのを防ぐ重防食塗料。塗膜となるエポキシ樹脂は油性のため、従来の塗料は有機溶剤で薄め、塗装後に溶剤を揮発させていた。新製品はエポキシ樹脂を小粒にして水に溶けやすくし、界面活性剤のような物質と反応させたうえで水で薄めた。




 トルエンやキシレンといった有機溶剤を使わず、大気汚染や光化学スモッグの原因となる揮発性有機化合物の排出量を大幅に抑えた。鼻をつくシンナー臭もなくなり、人通りの多い場所や住宅街での塗装に適している。発火物質も減ったので消防法が定める危険物から外れ、貯蔵数量の制限がなくなる。




 価格は従来品より3割程度高い。日本ペイントは官公庁や企業に採用を呼びかけ、同社の重防食塗料の5%が5年以内に新製品に切り替わると見込んでいる。