東京海上日動。全国でのクマの市街地出没への対応で、自治体に緊急猟銃使用が認められることを受け、万一、「流れ弾」で建物等を損傷させた場合の損害補償をカバーする保険始める(RIEF)
2025-08-23 17:13:36
(上図は、民間非営利組織「日本クマネットワーク」の機関誌から引用)
東京海上日動火災保険は、北海道等でクマが街中に出没し、建物や人に被害を加えるリスクに対応するため、9月1日から市町村の判断で市街地でも自治体による猟銃の使用が認められるようになることを踏まえ、万一、クマなどの動物の有害駆除作業で、猟銃による流れ弾が市街地の建物等を損傷させた場合の被害等を補償する保険を発売を始めた。メディアによると同社では、「本当は、(クマの出没がなく)同保険の適用がないことが望ましい」としている。
東京海上日動が開発したのは、「緊急銃猟時補償費用保険」。今年4月に鳥獣保護管理法の改正によって「緊急銃猟制度」が新設され、自治体職員が実施する有害動物駆除のために緊急銃猟使用に伴って、流れ弾が市街地の民家などを損傷させた場合に発生する損失補償に要する費用を補償する保険だ。
同社では、東京海上日動火災保険が販売する。同社は「クマの出没が各地で相次ぐことから、社会課題に対応・貢献したい」としている。緊急銃猟制度では、市町村長の判断で市街地に出没してくるクマを駆除するために猟銃を使えることになる。銃の使用は、人に当たらない状況だと確認した上での発砲が前提となるが、クマが建物に立てこもった状態の時に、威嚇を含めて銃を撃つことなどが想定される。
こうした場合に、万一、発射した銃の流れ弾が、街の民家の建物等や、駐車中の自動車等を損傷させるリスクが生じる。同保険では、駆除作業での流れ弾が建物や自動車などに当たって損害が出た場合、自治体が所有者に支払う費用を3000万円まで補償するという。クマによる人への攻撃の被害や、食品を食べたり、モノを壊したりした場合の損害や、流れ弾による人身被害等は対象外。
自治体は、環境省が定める「緊急銃猟ガイドライン」に基づき損失補償額を算出することを前提としている。保険料は、自治体が個別に申告する、前年度の危険鳥獣の出没件数に応じて決めるとしている。
保険の期間は、「緊急銃猟制度」の運用が始まる今年9月1日以降で、初年度は最大で9月~26年6月までの期間とする。保険料は平均で3万~10万円の見通し。仮に、緊急銃猟の使用で人身事故につながった場合は、同保険の対象ではなく、国家賠償法に基づく国家賠償請求により対応する。また自治体が賠償責任を負うケースでは、保険とは別に当該自治体が対応する。
猟銃の使用者が、意図的に建物等に損害を与えたと判断される場合は補償の対象外となる。ただ、ケースによって、建物に当たる可能性があるとわかっていても、駆除を優先して銃を発射するような場合には、環境省のガイドラインに沿った対応と認められれば保険の対象になるとしている。
実際に市街地での緊急銃猟の使用機会がどの程度あるのかや、損害額の規模については不透明な部分が残る。このため、同社の担当者は「自治体と密に連携しながら引き続き検討していきたい」としている。「準備は必要だが、クマが市街地まで下りてこず、使われないのが誰にとってもいい」として、生態調査や、空き家対策にかかわる別のサービスなどを通じて被害の予防にもかかわっていくとしている。
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/250717_01.pdf
https://www.japanbear.org/wp/wp-content/uploads/2023/03/2023_kikinhoukokusho.pdf

































Research Institute for Environmental Finance