大阪・摂津市の住民ら。ダイキン工業相手に、PFAS汚染の情報開示、環境・健康調査などを求める公害調停を申請。大阪府公害審査会が初の受理。ダイキンは「建設的対話」を強調(各紙)
2025-12-25 01:31:25
(写真は、住民たちからPFAS汚染源とみなされているダイキン工業の淀川製作所=同社サイトから引用)
各紙の報道によると、大阪府摂津市の空調大手ダイキン工業の淀川製作所周辺から有機フッ素化合物(PFAS(ピーファス))が検出され、周辺住民の健康問題や環境汚染の懸念が起きている問題で、住民らが同社に対して健康調査や汚染対策を求める公害調停を大阪府公害審査会に申請、受理された。PFAS汚染問題で、原因者とみなされる企業を相手にした公害調停の申請が受理されたのは、わが国では今回が初めて。
PFAS汚染を巡る公害調停としては、10月に沖縄県の市民団体が、米軍基地周辺の河川や湧き水からのFAS検出が相次いでいるとして、国を相手に沖縄県公害審査会に調停を申請している。同県は現時点では、申請の受理について「検討中」として態度を明確にしていない。
大阪府に公害調停を申請したのは、摂津市や近隣自治体の住民らで組織する「ダイキンPFAS公害調停をすすめる会」。同会によると、住民やダイキンの元従業員を含む800人以上の申請人から委任状を受け取っており、追加申請などを加えると、申請人数は1000人規模に膨らむ見通しとしている。
PFASは1万種類以上とされている有機フッ素化合物の総称。耐水性や耐油性に優れ、フライパンのフッ素樹脂加工や泡消火剤などに使用されてきた。自然界ではほとんど分解されず長期間残存するため、「フォーエバーケミカル(永遠の化学物質)」とも呼ばれる。海外では発がん性など健康への影響も指摘され、国際的に製造が規制されている。
ダイキン工業は1960年代から、PFASの一種「PFOA」を同社の主力製品である空調設備などに欠かせない、撥水・撥油剤やフッ素ポリマー製造時の添加剤として取り扱ってきたほか、80年代には自社での製造も開始していた。2012年には製造、使用を終えたが、その後も使用・製造拠点となってきた淀川製作所付近の地下水からは、環境省が2020年に定めた水道水の指針値「暫定目標値」の400倍を超える高濃度のPFASを検出している。
同目標値は、PFOSとPFOAの合計で1㍑当たり50㌨㌘以下(㌨は10億分の1)とするものだが、目標値は、あくまで管理の目安で、検査などは任意とし、法的な義務づけはない。このため環境省は同目標値を26年4月からは水道法上の「水質基準」にし、管理を強化する予定にしている。
人体への影響については、2023年に市民団体が自ら実施した住民らへの血液検査で、PFASの一種であるPFOSやPFOAが高濃度で検出されている。肝機能の低下や血清総コレステロール値の上昇といった人体への影響も指摘されているが、現在のところ、十分な知見はないともされる。
ダイキン工業は「弊社が原因の一つであると認識している」との立場を示している。各紙によると、今回、公害調停の申請が受理されたことについても、「PFOAの人体への蓄積が健康に及ぼす影響については未解明な部分が多い中、弊社は淀川製作所の周辺のみなさまとの対話なども通じて、対応の検討を続けてきた。調停手続きにおいても建設的な対話を通じて弊社としての対応を検討する」と述べているという。
https://mainichi.jp/articles/20251223/k00/00m/040/086000c
https://www.daikin.co.jp/corporate/overview/summary/locations/jp/yodogawa

































Research Institute for Environmental Finance