HOME10.電力・エネルギー |老朽化した荒瀬ダム撤去に着手 熊本県、国内初(熊本日日新聞) |

老朽化した荒瀬ダム撤去に着手 熊本県、国内初(熊本日日新聞)

2012-09-01 11:42:13

熊本県八代市の県営荒瀬ダム=2011年12月
熊本県八代市の県営荒瀬ダム=2011年12月


熊本県は1日、球磨川中流の県営荒瀬ダム(藤本発電所、八代市坂本町)の撤去工事に着手した。本格的なダムを壊し、自然の状態に戻すのは全国初の試み。戦後整備されたインフラが“寿命”に近づく中、撤去事例の全国のモデルとなりそうだ。

 午前8時、地域住民の生活道ともなってきたダムえん堤の管理橋に、一般の立ち入りを禁じる柵や看板が設置された。

 見守った地元住民ら約10人が左岸の管理橋入り口で万歳。旧坂本村議で同ダム撤去を求めてきた元村順宣さん(75)は焼酎を橋の欄干にかけ、ダムに頭を下げた。元村さんは「長い間ありがとうという気持ちです。無事に工事が終わってほしい」と話した。

 本年度は、8つある水門(ゲート)のうち最も右岸側の1枚を撤去する。このため水門をつり上げるクレーンが通行できるように管理橋を1メートル拡幅する。また、同日はダム近くで資材置き場の整地作業も始めた。

 同ダムは戦後復興の電力確保などを目的に1955年、熊本県が建設した発電専用のコンクリートダム。当時は県内消費電力量の16%を担ったが、近年は1%を切り、水質悪化などが問題となっていた。(和田毅)

http://kumanichi.com/news/local/main/20120901003.shtml