一般社団法人環境金融研究機構 | Research Institute for Environmental Finance: RIEF

【テヘラン鵜塚健】イラン原子力庁は１日、中東初の商業原発である同国南部のブシェール原発が、最大出力で完全稼働を始めたと発表した。核兵器開発につながる恐れのあるウラン濃縮活動について米欧諸国から非難を受けるなか、原発稼働を通じ、燃料製造の名目でウラン濃縮の正当性を主張する狙いがありそうだ。

　ブシェール原発はイスラム革命（７９年）前から建設が進められたが、大幅に計画が遅れて昨年９月に一部稼働。その後も完全稼働まで間近としながら予定がずれ込み、技術や管理能力の低さが指摘された。イランは原油、天然ガスが豊富な「エネルギー大国」で、原発稼働は対外的な宣伝の意味合いが強い。

　イランの核開発を巡っては、国際原子力機関（ＩＡＥＡ）が先月３０日、イラン中部のフォルドウ核施設で遠心分離機が増設され、ウラン濃縮能力が倍増したとする報告書を関係国に配布した。