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首都圏での放射性ストロンチウム、底質での凝縮進む 環境省調査で判明 千葉・柏は2万ベクレル(FGW)

2013-02-12 22:45:52

河川・湖沼の底質を調査
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河川・湖沼の底質を調査
河川・湖沼の底質を調査


環境省が実施している水環境(公共用水域(河川、湖沼・水源地、沿岸)等)の放射性物質モニタリングで、2012年の首都圏地域での放射性ストロンチウムの蓄積が、いくつかの地域で前年より増加していることが分かった。特に、千葉県柏市では、前年比23.7%増の2万ベクレルを記録した。福島県などの測定地域が集中的な除染作業で改善しているのと対照的だ。

環境省の調査は、一部地点の底質(2012年4月~9月、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県等で採取)について、放射性ストロンチウムの追加測定を行った。対象地域は62地点で、福島がそのうち43地点を占めているが、東京1地点、千葉4地点など、首都圏も対象となっている。

調査結果について環境省は、東京電力株式会社福島第一原子力発電所近傍を除き、事故以前に全国で観測されていた放射性ストロンチウム(Sr-90)の測定値(土壌試料)の範囲内であった、としている。だが、千葉県柏市の大堀川北柏橋で、前年の数値より23.7%増の1万2000ベクレルと増えたほか、柏市と我孫子市にまたがる手賀沼の根戸下では2・3倍の7600ベクレルと、増加している。これらの地点では雨水によって放射性物質が集中し、底質に凝縮しているのではとの見方が出ている。

逆に、2013年調査で高濃度を記録した福島県下の主要地点では軒並み濃度を下げている。これらの改善は、自然による改善ではなく、除染作業を集中的に実施したためとみられる。一方で2012年に新たに調査した福島県浪江町では、16万ベクレルという高濃度を記録している。また首都圏の水がめの一つ、群馬県の藤原ダムの底質からも2900ベクレルが検出されている。
これまでの、放射性物質モニタリングの結果については、以下のHPで掲載しております。
http://www.env.go.jp/jishin/rmp.html#monitoring

http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=21474&hou_id=16286

 

 

1. 測定内容


(1) 測定地点


各県の調査地点のうち底質から放射性セシウムが比較的高濃度に検出された地点等

  • 宮城県 5地点(河川4、湖沼・水源地1)

  • 福島県 43地点(河川14、湖沼・水源地20、沿岸9)

  • 茨城県 5地点(河川2、湖沼・水源地3)

  • 栃木県、群馬県 各2地点(河川1、湖沼・水源地1)

  • 千葉県 4地点(河川2、湖沼・水源地2)

  • 東京都 1地点(沿岸)


合計62地点