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北朝鮮から「初めてのツイート」 現地のネット事情を探る(CNN)

2013-03-14 12:28:10

北朝鮮・平壌で携帯電話を利用する男性。一般人の携帯電話やインターネットの利用は限られるという
北朝鮮・平壌で携帯電話を利用する男性。一般人の携帯電話やインターネットの利用は限られるという
北朝鮮・平壌で携帯電話を利用する男性。一般人の携帯電話やインターネットの利用は限られるという


オースティン(CNN) インターネットへの接続が厳しく制限されている北朝鮮から、初めてツイッターで発言したとされる米ジャーナリスト、ジーン・H・リー氏が9日、米テキサス州オースティンでのイベントで、北朝鮮のネット事情などを語った。

リー氏は米AP通信の韓国、北朝鮮両支局長を務め、これまでに北朝鮮を20回以上訪れている。北朝鮮が2月に外国人限定で3G(第3世代)回線の利用を許可したことを受け、同25日に「平壌の通信センターからこんにちは」と、初ツイートを発信した。

その後、画像共有サイト「インスタグラム」にも街角や食べ物、政府が作ったポスターなど、現地からの写真をアップロードしている。

3G回線は北朝鮮当局がエジプト企業と共同で設置した。外国人はこれを利用して、どんなサイトにも自由に高速接続ができるようになった。デジタル社会に順応しようとする当局の努力がうかがえる。だたし、一般市民が利用できるのは国営のイントラネットだけだ。

リー氏は「まだ先は長いが、ほんの少しずつ開放的な姿勢が見え始めている」と話す。2008年に初めて北朝鮮を訪れた時は、空港で警備要員にスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を没収されたという。

同氏とともに、AP通信のカメラマン、デービッド・ガッテンフェルダー氏もインスタグラムに、ローラースケートを楽しむ若者や吹雪に立ち向かう女性たち、北朝鮮国営・高麗航空の機内食など、北朝鮮の素顔を撮影した写真を掲載している。

リー氏によると、北朝鮮では携帯電話への関心が高まってはいるものの、普及台数は人口約2500万人に対して約100万台にとどまり、一般市民がフェイスブックやツイッターに接続することはできない。

ただ、オンライン掲示板のような旧式のサービスを利用して、ポップ音楽など当たり障りのないテーマについて語り合うことは可能だという。

イントラネット上での活動はすべて人物が特定され、当局が簡単に監視できる仕組みになっている。市民同士が秘密の通信網を使って自由に語り合うような動きもみられないという。リー氏は「そのような動きが非常に危険だということは想像がつく。北朝鮮に根付いた恐怖の文化が短期間に変わることはないだろう」と話す。

2月末に訪朝した米プロバスケットボールNBAの元スター選手、デニス・ロッドマンさんに、北朝鮮からのツイートを勧めたのもリー氏だった。ロッドマンさんは「平和的目的でやって来ました。北朝鮮の人々が大好きです」とつぶやいた。

リー氏による報道の内容を北朝鮮当局が検閲しようとしたことはないが、「北朝鮮でインターネットに接続する場合、ネット上での行動がすべて当局に見えていることは意識している」と語った。

 

http://www.cnn.co.jp/special/cnnasia/35029341.html