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米国家機密漏洩事件 スノーデン容疑者の暴露は「正当」 米帰国の恩赦を与えられるべき NYタイムズ紙が社説で指摘(NYT)

2014-01-03 15:16:32

Snoden無題
Snoden無題米紙ニューヨーク・タイムズは2日、米国家安全保障局(NSA)の情報収集活動を暴露したエドワード・スノーデン容疑者について、「スノーデン氏はウィッスルブローワー(危機を警告する人)」と題した社説を掲載した。米政府はスノーデン氏の恩赦や司法取引などの措置を適用すべきだと訴えた。

同紙は、スノーデン容疑者の暴露により、米国人が個人の電話や電子メールなどの情報がどう把握されているか十分に理解できるようになったと主張。暴露された情報には重大な価値があるとし、スノーデン容疑者には亡命生活以外の道を与えるべきだと訴えた。「(情報を暴露するために)犯罪行為を行ったかもしれないが、国家に多大な貢献をした」と指摘した。

7か月前、世界はNSAが米国だけでなく、世界中の多くの人々に電話やメールの盗聴などにアクセスして、人々がどう過ごしているか、誰と付き合っているかなどの個人的な情報にアクセスしていることを知った。NSAの本来の役割を逸脱した行動をとっていることに気付いかされた。

すでにNSAの行為が憲法違反であることを告発する二件の連邦判決が促された。オバマ大統領が指名したパネルは、NSAのプライバシー違反を告発し、組織の大幅な見直しを求めた。これらはすべてスノーデン氏が暴露したことで発覚した。


スノーデン氏が明らかにしたことを考えると、確かに彼は情報を暴露したが、彼はそのことでもっと国にとっていいことをした。したがって、彼は永久の追放や亡命という人生を送るよりも、もっと良い人生を 贈る価値がある。米国のためにも、彼に対しては、ウィッスルブローワーとしての役割沿った最小限の罰に減じて、彼に国に戻れることができる寛大な措置を講じる時だ。


スノーデン氏は、極秘情報を流し、政府の所有物を窃取した罪などでスパイ防止法違反の罪に問われており、各犯罪で10年ずつの刑期を科せられるほか、政府は追加懲役を科すものとみられる。たぶん終身刑を宣告される可能性がある。


しかし、スノーデン氏は、こうした政府による権利濫用の行動について、事前に、上司に問題指摘をしており、それに対して当該の上司は何ら是正行為をとらなかったという。このため彼は政府による個人の権利侵害を是正するためには、外部に情報を提供する以外になかったとしている。


NSAの内部調査でも、NSA自体が年間何千回にもわたって、連邦プライバシー法を違反してきたか、権利を過剰行使してきたことが示されている。世界中の主要なデータセンターの情報網に介入し、何億件のユーザーアカウントを違法にチェックしていた。彼の暴露によって、NSAの国家機密局長のクラッパー氏が、議会で偽証したことも明らかにされた。


こうしたことを考えると、スノーデン氏は、政府が定期的に実施していた違法行為を明らかにしたからといって、その同じ政府の手によって終身刑を宣告されるべきではないし、スノーデン氏の漏えい問題を調査したタスクフォースのLedgett氏が指摘したように、スノーデン氏がこれ以上の漏えいをストップすると約束するならば、彼は恩赦を与えられるべきかもしれない。



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