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第1次大戦前の英独を例示  安倍首相、日中関係緊張で  中国は直ちに反発(共同) 意図的に中国を刺激しているのだろうか? 

2014-01-24 23:04:06

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【ダボス共同】スイスで世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席した安倍晋三首相が一部内外メディアとの会見で、日本と中国の緊張関係について、経済的依存が高かった英国とドイツが第1次大戦で対決したことを例に挙げて説明していたことが23日、分かった。abeshushouimagesCAVRBS0S

首相は偶発的な衝突回避の必要性を強調したが、欧米有力メディアが、日中関係と第1次大戦前の英独関係の「類似性」を指摘したと報道したため波紋が広がり、中国が直ちに反発した。abehatsugenicchuu20140124

 

22日に行われた会見には共同通信記者も同席していた。

 

安倍首相は、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中の武力紛争の可能性について問われ、軍事的な衝突になれば両国、地域、世界にとり大変なダメージになることを「両国の指導者は理解している」と指摘。今年が第1次大戦開始から100年であることに言及し「英国、ドイツは経済的依存度が高く、最大の貿易相手国同士だったにもかかわらず、戦争が起きた」と述べた。その上で中国との「偶発的な事故、衝突」を回避するため双方の防衛当局同士が「コミュニケーションチャンネル」を持つ必要性を強調した。

 

首相はまた「中国が毎年10%以上軍事費を増やしている」ことが「緊張を呼ぶ」とし「東シナ海だけでなく、南シナ海でも緊張が高まっている」と述べた。

 

会見に出席した英紙フィナンシャル・タイムズ記者は、首相が日中戦争を否定する代わりに、自ら約100年前の英国とドイツの対立との類似性に言及したと報道。英BBC放送の記者も「評論家でなく、日本の指導者の発言なので重みがある」とコメント。これをロイター通信が転電して「安倍発言」が広がった。

 

中国外務省の 秦剛 (しんごう) 報道局長は「英独関係を持ち出すなら、近現代史上、日本が中国にどんなことをしたかを直視した方がよい」と批判した。

 

■ 「侵略の歴史直視を」 首相発言に中国外務省 

 

【北京共同】安倍晋三首相がスイスでの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の場で、日中関係を第1次大戦前の英独関係に例えたことについて、中国外務省の 秦剛 (しんごう) 報道局長は23日の記者会見で「英独関係を持ち出すなら、近現代史上、日本が中国にどんなことをしたかを直視した方がよい」と述べ、首相に「侵略の歴史」を直視するよう求めた。

 

秦氏は「記憶に刻むべきことは、日本がファシスト戦争で中国を含むアジア人民にもたらした深刻な災難だ」と強調。「歴史を直視してこそ、日本とアジア隣国との関係に未来は開ける」と述べた。

 

■安倍首相の発言詳報

 

日中関係をめぐり、安倍晋三首相が第1次大戦当時の英独関係などに触れた発言は次の通り。

(尖閣諸島をめぐる日中の武力紛争はあり得るかとの質問に)日中間で軍事的衝突になれば両国にとって大変なダメージ。地域や世界にとっても極めて大きい影響となることは日中の指導者はよく理解していると思う。

 

また中国の経済成長は、共産党政府にとって中国をコントロールする上で絶対的に必要な条件。日本と武力衝突が起こればその条件は吹っ飛んでしまうということは十分理解していると思う。

 

そう理解していても偶発的に衝突が起こることがないようにしていくことが重要だ。

今年は第1次世界大戦から100年であって、(当時)イギリスもドイツも経済的な依存度はお互い高かった。最大の貿易相手国同士だったにもかかわらず戦争が起こった。

 

大切なことはコントロールすること。私は中国に対し、偶発的な事故あるいは衝突が起こらないよう、軍同士あるいは貿易当局同士のコミュニケーションチャンネルをつくるべきだと申し入れしている。

 

(中国との関係改善のロードマップはあるかと問われ)残念ながら今、ロードマップがあるわけではない。中国は毎年10%以上軍事費を増やし、既に日本の倍になっており、これ自体が緊張を呼ぶ。そこで軍事力拡張についてアジア全体で考えていく必要があるだろうと思う。

 

東シナ海だけでなく南シナ海でも緊張が高まっているのは事実。力による現状変更は何ももたらさない。緊張と破滅しかもたらさない。

 

基本的に法の支配を尊ぶということを、相互理解として確立することが正しい。(共同)

 

http://www.47news.jp/47topics/e/249685.php