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シリア内戦の犠牲となった少年の最後の言葉!(TOCANA)

2014-02-04 09:09:29

画像は「World Observer Online」より
画像は「World Observer Online」より
画像は「World Observer Online」より


混迷の度を深めるシリア情勢。「アラブの春」がこの歴史ある国へと波及したのは2011年のこと、その後1年と待たずに、シリアは政府軍と反体制組織による内戦状態へと突入する。それから現在に至るまでの間、戦局は日々激しさを増し、多くの死者を出す最悪の事態へと進展してしまった。

戦闘員のみならず、子どもや女性たちも含めた民間人までもが多数犠牲となっており、現時点で死者は13万人を超え、数百万人に上る難民も発生していると伝えられる。

 

そのような中、シリア内戦で傷付き、その後死亡した3歳の少年が最後に残したとされる言葉が、現在インターネット上を駆け巡り、世界中に大きな反響を呼んでいることをご存知だろうか。

 
”سأخبر الله بكل شيء“

 
「ぜんぶかみさまにいいつけてやるんだから……」

 

この印象的な言葉を残した直後に息を引き取ったのは、上の写真に収められた3歳の少年であるとされている。彼が暮らしていた場所や名前は判明していない。しかし彼の言葉は、この内戦が引き起こす痛みと苦しみ、人々の悲しみと怒り、さらには背景にある不条理と矛盾までも想起させる強力な言葉だ。

 

少年は、互いに傷つけあう人間に対して怒っている。時に神を都合よく解釈し、利用する大人たちに、それは違うと訴えている。これが信仰を持つ人間のすることかと問いかけている。そして彼は、不条理にも自らがもうすぐ死ぬという事実を悟っている。

 

確かにシリア内戦勃発の直接の背景には、アサド政権の独裁があったかもしれないが、内戦が激化した現在、その周囲にはさまざまな国家の思惑と関係性が見え隠れする。シーア派とスンニ派、クルド人、イラン、サウジアラビア、ロシア、米国、イスラエル、そしてアルカイダ系武装組織などの、根深い対立と利害が絡み合った、代理戦争の様相を深めているというのがシリア内戦の現実だ。3歳の少年が残した言葉は、このような現状すらも糾弾しているように感じられる。

 

今こうしている間にも、多くの人が戦火の中で命を落としていることを決して忘れてはならない。今月に入り、シリア情勢は以前にも増して混迷の度を深めているとも伝えられている。3歳の少年が残した衝撃的な言葉は、シリアの現状を世界中に向けて訴えている。 (グリーン・M)

http://tocana.jp/2014/02/post_3595.html