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東京都知事選 原発「即ゼロ」193万票 舛添氏得票211万票に迫った(東京) 候補統一ができなかった「戦略的失敗」明らかに

2014-02-10 20:13:10

当選から一夜明け、記者の質問に答える舛添要一氏=10日、東京都渋谷区のNHKで(中嶋大撮影)
当選から一夜明け、記者の質問に答える舛添要一氏=10日、東京都渋谷区のNHKで(中嶋大撮影)
当選から一夜明け、記者の質問に答える舛添要一氏=10日、東京都渋谷区のNHKで(中嶋大撮影)


九日投開票された東京都知事選で、原発「即ゼロ」を訴えた前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏(67)、元首相の細川護熙氏(76)の合計得票は約百九十三万八千票となった。初当選した元厚生労働相の舛添要一氏(65)の得票数に十七万票差に迫り、ほぼ拮抗(きっこう)した。原発再稼働に前向きな安倍政権に「待った」をかけたい民意が意地を示した形だ。

都選管が十日未明に発表した投票率の確定値は46・14%で、衆院選と同日になった前回二〇一二年十二月より16・46ポイントの大幅減。開票作業が進む中で墨田、品川両区で不在者投票数を二重計上するミスが見つかるなどしたため、当初発表値を訂正した。

元厚労相の舛添氏には少子高齢化など身近な暮らしの課題解決への期待が大きく、支援を受ける自民、公明両党の組織票を積み重ね、二位の宇都宮氏に百十三万票差をつけた。原発政策をめぐっては、再生可能エネルギー活用を進め原発依存度を徐々に減らす考えを示し「即ゼロ」には否定的な見解を示している。

一方、宇都宮氏の得票数は約九十八万二千票、同じく原発ゼロを訴えた細川氏は約九十五万六千票。二人を合計した原発「即ゼロ」支持票は有効投票数の39・81%を占め、舛添氏の43・39%と約3ポイント差だった。

◆福祉・防災「独自色を」一夜明け

舛添要一氏は、当選から一夜明けた十日朝、選挙戦で原発「即ゼロ」を訴えた候補者二人の合計票を約十七万四千票上回っての勝利に「福祉や他の分野に加え、原発を少しずつ減らしていくとの政策が評価された」と力を込めた。

情報番組への出演のために訪れた東京・渋谷のNHK前で、報道陣の取材に答えた。

灰色のスーツにピンク色のネクタイ姿で現れた舛添氏は、一夜明けた心境を問われ「午前三時から二時間しか寝ていない。まだ選挙が続いている感じだ」と晴れ晴れとした笑顔。勝因を「政策中心にさまざまな訴えをしたこと。どの候補よりも広く、全ての地域を回って直接、多くの有権者と対話をしたことが成果につながった」と分析した。

二百十一万票を超す得票数について「二番目の候補者の倍以上の票をいただいたことは大きい。私以外の候補に投票した方も良かったと思えるような都政をしたい」と述べ、「さまざまな課題を抱えており、大変重い責任。厚労相としての政治経験を生かして、全力を挙げて結果を出す」と真剣な表情で抱負を語った。

また、新年度予算案の福祉や防災の分野で、独自の政策を加える意向を示しており「舛添カラーを出せるように、小額だけれども、公約に見合った形でやりたい」と述べた。

原発問題については同番組内で「原発は少しずつなくしていく方向にするべきだ。都民の使う電力のうちの自然エネルギーの割合を、六年後の五輪までに6%から20%まで引き上げる」などと主張した。

この日は、あいさつ回りや自民党役員会への出席が予定されており、十二日に初登庁し、知事に就任する。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014021090135800.html