北海道内沿岸で深刻化しているゴマフアザラシによる漁業被害を減らすため、北海道は１７日、鳥獣保護法に基づく「北海道アザラシ管理計画」の素案を有識者でつくる北海道アザラシ管理検討会に提示した。



 

被害が著しい日本海側北部で２０１５年度から２年間かけて捕獲や追い払いを行い、夏季の個体数を１３年度に確認された８５０頭から半減させる目標を掲げた。今後、道環境審議会に諮問し、来年３月の決定を目指す。環境省によると、計画が策定されれば海洋生物の保護管理計画は全国で初めてとなる。

 

北海道などによると、ゴマフアザラシは本来流氷に乗って移動し、道内沿岸に１１月～翌年５月ごろまですみ、夏場はサハリンなどに帰っていた。しかし、地球温暖化の影響などで、近年は夏場に礼文島などに居着く個体が増加している。このため道は１３年度に北海道アザラシ管理検討会を設置し、計画策定に向けた議論を重ねてきた。

 

道は計画の策定後、１５年と１６年のそれぞれ６～１０月にかけて、天売島・焼尻島から利尻島・礼文島、稚内市沿岸にかけての日本海側北部の複数の生息地で、捕獲を実施するほか、爆音機やスタンガンなどを使った追い払いも同時に行い、上陸を嫌がるよう学習させる。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/563353.html