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仏経済学者ピケティ氏 レジオン・ドヌール勲章辞退「だれが立派かを決めるのは政府でない」(各紙) 勲章大好きな日本人学者・財界人に聞かせたい

2015-01-03 21:42:37

picety無題
picety無題各紙の報道によると、フランスの経済学者トマ・ピケティ氏は、フランス政府が提示したレジオン・ドヌール勲章の叙勲を拒否する考えを明らかにした。

 

ピケティ氏は、著書「21世紀の資本」が世界的なベストセラーとなったことで知られる。フランス政府は1日、同氏に対して、レジオン・ドヌール勲章の5等のシュバリエ賞を授与すると発表した。これに対して、ピケティ氏は「誰が名誉に値するか決めることは政府の役目とは思わない。政府は経済成長を回復させることに専心すべきだ」と述べたという。


 

今回の叙勲の対象は、同氏以外に、昨年のノーベル経済学賞を受賞した仏経済学者ジャン・ティロール氏らが対象という。レジオン・ドヌールは1802年にナポレオンが創設した勲章。これまでにも物理学者のキュリー夫妻や作家のジャン・ポール・サルトル氏、アルベール・カニュ氏らが叙勲を拒否している。




 

ピケティ氏の「21世紀の資本」は、膨大なデータを用いて資本主義社会における格差拡大の仕組みを論じた。米欧では「21世紀のマルクス」などと評されている。学者としては2002年にフランス最優秀若手経済学者を受賞している。パリ経済学校(EEP)教授。

 

政府が勲章制度で、人々を表彰するのは、その国や社会に貢献した人を讃えるのか、その国の政府に貢献した人を讃えるのかの見極めが重要。我が国でも、勲章や褒章を拒否、あるいは辞退したとされるのは、福沢諭吉、山岡鉄舟、熊谷守一、最近では大江健三郎、細川護煕、城山三郎らの名前が挙がっている。