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『環境に優しい電機メーカーランキング』、エネルギー部門トップはソニーに(Greenpeace)

2011-11-14 20:57:52

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グリーンピースは11月9日、『環境に優しい電機メーカーランキング第17版』を発表しました。総合1位はヒューレット・パッカードで、2位がデル。日本企業はパナソニックとソニーの9位が最高。個別のエネルギー部門では、ソニーがフィリップスと同店の1位になりました。

電機メーカーによる環境への取り組みを比較したこのランキングは、2006年8月に初版が発行され、第17版となる今回からは評価項目を一新。携帯電話、パソコン、テレビの世界的な製造企業15社を対象に、エネルギー、製品、持続可能な製造の3部門について公開されている情報もとに、取り組みを比較・検証しています。

日本企業からは、ソニー、パナソニック、シャープ、東芝の4社が対象です。

今回の『環境に優しい電機メーカーランキング』では、ヒューレット・パッカードが3部門総合で1位を獲得。
デルが2位となり、日本企業は、パナソニックとソニーの9位が最高でした。

一方、エネルギー部門単独では、ソニーがフィリップスと同点1位にランクイン。
ソニーは、温室効果ガスの排出量については満点を獲得し、自社の排出量についても当初の目標を大幅に上回る31%の削減を達成したこと、電力の9%に自然エネルギーを使用していることなどが評価されました。

製品部門では、パナソニックがアップルとソニー・エリクソンと並んで1位となり、持続可能な製造部門では、ヒューレット・パッカードがトップです。

福島第一原発の事故をきっかけに、日本の電機メーカーはエネルギーの調達や効率化で大きな挑戦を突き付けられています。

このランキング評価のための情報は、各社から2011年夏に提出を受けたもの。
しかし、ランキングのエネルギー部門では、1位以降は7位まで海外メーカーに・・・。
今後、ランキング対象の日本企業4社がリーダーシップを発揮し、世界のライバルを牽引していくことを期待します。

大幅な改訂を加えた『環境に優しい電機メーカーランキング』第17版では、サプライチェーンをとおした環境影響評価など、持続可能な電機産業のために考慮されるべき項目を拡充しました。

電子・電気機器の製造は、エネルギーと資源の両方を大量に必要とします。
本ランキングによって、グリーンピースは、電機メーカーがより環境にやさしい生産をおこない、持続可能なエネルギー利用のための法整備を支持することを求めていきます。

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環境に優しい電機メーカー・ランキング 第17版 (2011年11月9日発行)
部門別 評価項目
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【エネルギー部門(27点満点)】
● 自社の温室効果ガス排出量を公表している(3点)
● 自社の温室効果ガス排出量削減と、100%自然エネルギー導入に対して意欲的な目標を掲げている(8点)
● エネルギーの効率化と温室効果ガスの削減、自然エネルギーの導入拡大のための戦略を設けている(8点)
● 企業の代表者が自然エネルギーや省エネ推進政策への支持を表明している(8点)

【製品部門(16点満点)】
● 対象製品が一定の省エネ基準を満たしている(5点)
● 販売されているすべての製品に、塩化ビニル、臭素化難燃剤、アンチモン、ベリリウム、フタル酸エステルを使用していない(5点)
● 製品に使用するプラスチックのうち、再生プラスチックを少なくとも15%以上使用している(3点)
● 長期間の製品保証を実施し、製品寿命を延ばすための努力をしている(3点)

【持続可能な製造部門(26点満点)】
● サプライチェーンにおける温室効果ガスの排出量を把握し、エネルギー消費を減らすための努力をしている(5点)
● 化学物質管理を徹底し、予防原則にもとづいて新たに代替可能な化学物質を特定し、化学物質排出に関する法整備の拡大に支持を表明する(5点)
● 紙原料の調達方針をもち、森林破壊や違法伐採に加担する供給元を除外し、紙の使用量削減と再生紙およびFSC紙(*)の利用を増やす目標とその方法を示している(3点) *持続可能な森林管理をされた森からつくられた紙
● 紛争鉱石(*)の利用を避けるために、利用する精錬所の公表、供給元の調査、原産地の確認やモニタリングなどを行い、関連の法整備を支持している(5点) *内戦などの資金源となる鉱物資源
● 自社製品が販売されているすべての国において、寿命を迎えた製品の回収に責任をもち、再使用やリサイクルを推進する(5点)

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詳細は:
環境に優しい電機メーカー・ランキング 第17版 完全版(英語): http://p.tl/GT_l
ランキングの評価基準について(英語): http://p.tl/PDPg
評価項目とランキング表(日本語):http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/GEG%20v1_JPN.pdf

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/37804/