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耐えるトンボ、写真コンテスト2011(National Geographic)

2011-12-22 16:28:09

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光の矢のような雨粒がトンボの羽を激しく叩く。インドネシア、リアウ諸島でシクヘイ・ゴー氏が撮影、「しぶき(Splashing)」と名付けた。「ナショナル ジオグラフィック国際写真コンテスト2011」でグランプリと自然・動物部門の最優秀賞に輝いている。

 不意の暴風雨に見舞われたゴー氏は、難しい決断を迫られる。「カメラを濡らしてでも、この見事な光を利用するべきか」とコンテストへの応募時に記している。

 ゴー氏の選択は正しかった。「実に印象深いマクロ撮影だ。美しい光の中で繰り広げられた、普通なら気付かない一瞬をとらえている。テクニックも完璧で、自然部門のトップにふさわしい」と、審査員を務めた米ナショナル ジオグラフィック誌の写真家ティム・レイマン氏は評価する。

 同じく審査員のエイミー・トンシング氏は、「風雨に耐えるトンボの気丈さが伝わってくる。“トンボさん、がんばって!”と声をかけたくなるね」と話す。

「トンボも人間のような“個性”を持っているようだ」と、もう1人の審査員ピーター・エシック氏も感心する。「類い希なシーンだけに、頭で分かっていてもつい自分とダブらせてしまうよ」。