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電気・水を完全に自給自足できる「エコハウス(OTSハウス)」開発。TOKAYグループ(静岡)。10月から実証実験(RIEF)

2017-05-02 16:07:17

OTS1キャプチャ

 

  住宅やエネルギー関連事業を展開するTOKAYグループ(本社静岡市)は、電気や生活用水を完全に自給自足するエコハウス型の個人住宅の実証実験を10月から始める、と発表した。「OTS(On the Spot)ハウス」と名づけ、このほど静岡県島田市で着工した。生活インフラの完全自給自足で災害に強く、光熱費も大幅削減でき、CO2排出量削減にも貢献する。

 

 TOKAYグループは東証1部上場企業で、ガスや電気、インターネット、CATV、アクア、住宅事業など、家庭の生活インフラサービスを総合的に提供する事業を展開している。顧客の生活を総合的に支える「Total Life Concierge」構想を掲げており、今回の「OTSハウス」の開発・実験はその一環と位置づけている。

 

 同社では、東日本大震災や熊本地震等の相次ぐ自然災害に加えて、再生可能エネルギー発電を促進する固定価格買い取り制度(FIT)の導入などによって、エネルギー環境、生活インフラに対する国民の意識に変化が起きていると指摘。抜本的なインフラ改善には大規模投資や長期間の実証が必要だが、一戸の住宅でも、省エネと分散エネの活用、インフラのセキュリティの確保を実現することは可能として、今回の「OTSハウス」の開発に取り組んだ。

 

 OTSハウスのコンセプトは、災害に比較的強いとして再評価されている分散エネルギー源のLPガスをエネルギー源とする家庭用燃料電池の「エネファーム」を軸とする。住宅の屋根には太陽光発電を設置、生活用水は雨水を元に高度な貯留・濾過システムを導入することで、完全自給が可能としている。また先端の情報通信技術を活用したコミュニケーションサービス・放送サービスも装備する。

 

 TOKAY2キャプチャ

 

 モデルハウスは、静岡県島田市ばらの丘に着工。10月の公開を目指す。敷地面積228㎡の2階建て。太陽光や雨水を効率的に活用するため屋根を大きくし、地下には雨水を貯留するタンクを設置する。排水も再浄化・環流してトイレなどに使う「中水」として利用、4人家族に必要な1日800㍑程度を確保する。商業化に向けて小型、低コスト化も進める。

 

 電源はエネファームと太陽光発電、蓄電池の3源を組み合わせ、自動的制御で最適利用ができる。電気自動車にも充電できる。実験用の建物は7月末に完成予定で、実証用の設備・サービスの初期点検を経て、10月から公開する。一般公開では同ハウスに宿泊体験できるイベントなども展開する予定という。

 

 比較的低コストでOTSハウスを提供できるようになれば、生活面でのインフラ整備が大きく変わる可能性も秘めている。またシステム全体を海外に輸出できる可能性もある。

 

http://www.tokaiholdings.co.jp/ir/news/pdf/2017/20170427release.pdf