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カシューナッツの殻から、環境調和型のグリーンプラスチック開発。東京農工大と明治大学のチーム。熱に強く、化学耐性も、抗菌性もある。万能じゃん!(RIEF)

2017-06-28 01:59:09

kashunutsキャプチャ

 

 東京農工大学と明治大学の研究グループは、カシューナッツの殻から得られる天然植物油(カシューオイル)から、環境調和型のグリーンプラスチックの開発に成功した、と発表した。

 

 「ナッツからプラスチック」を生み出したのは、東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門の兼橋真二特任助教、同大学院生物システム応用科学府の荻野賢司教授、明治大学 宮腰哲雄名誉教授のグループ。

 

 カシューナッツの殻は食用にはならず、その多くが廃棄処分される。研究グループはこの非可食性の廃棄殻からポリフェノールである天然植物油(カシューオイル)を抽出し、それをエポキシ化、熱による自動酸化重合を用いたプレポリマー化、アミン化合物との架橋反応あるいは紫外線照射等によって、室温で成形可能なグリーンプラスチック(バイオベースポリマー)を生成した。

 

 開発したポリマーは、300°C付近まで熱的に安定であり、酸・アルカリ・有機溶媒に対する化学的耐久性に優れているという。さらに天然ポリフェノールを反映した黄色ブドウ球菌や大腸菌に対する抗菌特性を有する。

 

 今回開発したグリーンプラスチックは、環境や人体に有害なホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)、重金属、強酸等の化合物を使用せずに、室温下で容易にフィルムや樹脂への成形加工ができることから、パッケージング材料やコーティング材料をはじめ、自動車部材から電子材料部材まで幅広い材料分野への応用展開が可能という。

http://www.tuat.ac.jp/outline/disclosure/pressrelease/2017/20170607_01.html