HOME13 原発 |沖縄で墜落炎上の米軍大型ヘリに放射性物質。地元の消防隊、米軍から知らされず消火活動に従事。国のガイドライン守られず。日本政府はどうしているのか?(沖縄タイムス) |

沖縄で墜落炎上の米軍大型ヘリに放射性物質。地元の消防隊、米軍から知らされず消火活動に従事。国のガイドライン守られず。日本政府はどうしているのか?(沖縄タイムス)

2017-10-15 12:52:44

 

 沖縄県東村高江で米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリコプターが炎上した事故で、在沖米海兵隊は14日、機体の一部に放射性物質が使用されていると明らかにした。健康被害を引き起こす量ではなく、既に全量を取り除いたとしている。一方、事故直後に消火活動に当たった国頭消防本部の隊員には知らされておらず、危険物の情報を提供することを定めたガイドラインが守られなかった形だ。

 

 海兵隊によると、放射性物質はインジケーターと呼ばれる複数の部品で使用されていた。放射性物質がストロンチウム90かは明かしていない。

 

 沖縄県は13日、機体の部品に放射性物質が含まれている可能性があるとして、環境調査を始めている。ただ、事故現場から約100メートル離れた内周規制線への立ち入りは認められておらず、引き続き機体周辺での調査を求めている。

 

okinawa2キャプチャ

 

 米軍機事故時の対応を定めたガイドラインでは危険物などが搭載されている場合は、消防や警察に知らせることになってるが、消防隊には放射性物質があることは知らされていなかった。富川盛武副知事は12日、消防隊員の健康調査を国の責任で実施するよう国へ要請した。防衛局は13、14の両日、内周規制線の外側で空間と地表面の放射線量を測定したが異常値は出ていないと発表した。

 

 一方、琉球大の矢ヶ崎克馬名誉教授(物性物理学)は14日、事故現場から西に約300メートル離れた風下の牧草地で、放射線の一種であるベータ線を1平方メートル当たり81ベクレル計測したと発表。「事故の影響による土壌汚染や、事故機にベータ線を放出するストロンチウム90が使われていたと推察される」と強調した。

 

 沖縄県も12~13日、高江小学校や現場周辺を含む複数地点で表面土壌から放射線量を計測しているが、一般環境とほぼ相違ないと判断。土壌にストロンチウム90の汚染がないかは確認中で、詳細な分析に1カ月以上かかるとしている。

 

okinawa1キャプチャ

 

 東村の民間地で炎上した米軍の大型輸送ヘリコプターの一部に放射性物質が使用されていたことが明らかになった14日、現場の牧草地を所有する男性や、ヘリが所属する普天間飛行場を抱える宜野湾市の住民からは「一刻も早く米軍機の飛行をやめてほしい」などと憤りや不安の声が上がった。

 

 黒焦げとなったヘリが残る牧草地などで農業を営む西銘晃さん(64)は、15日に予定していた豚の出荷が国や県の環境調査を終えるまで取りやめになり「1カ月の収入がなくなった。もう土地を使えないのではないか」と声を落とした。

 

 普天間飛行場に隣接する沖縄国際大構内には2004年に、同系統のヘリが墜落し放射性物質が検出された。近くに住み、当時現場に駆け付けた宮城政一さん(73)は「本当に怖い。また、いつ落ちてもおかしくない」と不安を示した。

 

okinawa3キャプチャ

 

 県は13日に環境への影響を調べ始めたが、ヘリの近くには担当者も近づけない。宮城さんは「憤まんやる方ない。政府には危険と隣り合わせの沖縄の状況をじかに見て、危険性除去をしてほしい」と訴えた。

 

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/156263

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