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「グローバルな持続可能な競争力指標(GSCI)」2017年版ランキング。一位は昨年に続いてスウェーデン。上位に北欧、バルト諸国。日本は韓国に抜かれ20位(RIEF)

2017-11-09 17:09:35

SCI2キャプチャ

 

 世界の国々の持続可能な競争力を、知的資本、社会資本等の5つの分野で評価するモデルに基づいた「The Global Sustainable Competitiveness Index(GSCI)」の2017年版が公開された。1位、2く位は前年に続いてスウェーデン、ノルウェーと変わらず、3位は、前年5位のアイスランドが2ランクアップで入った。日本は韓国に抜かれて20位(前年15位)にランクダウンした。

 

 (上の図は、「緑の色」が濃いほど、サステナブルな競争力は高い、ということになる)

 

 ランキングをまとめたのは、サステナビリティマネジメントのコンサルタント事業を展開するスイスと韓国のジョイントベンチャー、SloAbility。持続可能な競争力を評価対象として、自然資本、社会資本、資源マネジメント、知的資本、ガバナンスの5分野を選別、それらを合計111の定量的業績指標で評価した。

 

 従来の競争力評価では、GDPや財政収支などの経済・金融的指標での比較が中心となる。しかし、こうした経済的な結果をもたらすものは何かという視点は盛り込まれていない。また経済的活動は、環境、社会面で副作用や負担を引き起こすが、そうした負の側面の影響は通常、考慮されない。

 

 これに対して、GSCIの方法論は、何がビジネスや社会に豊かな成果をもたらすのか、という視点から、知的資本、社会資本等の5つの分野をスコアリング評価し、総合的なランキングをつけた。これらの分野での競争力の度合いが、国全体の競争力の土壌になるとの考えだ。

 

SCI1キャプチャ

 

   総合ランキングでは、上位20位のうち、ニュージーランド(13位)、韓国(16位)、日本(20位)の3カ国以外はすべて欧州諸国となった。欧州の中でも北欧、バルト諸国などが上位につけた。一人当たりGDPで世界最高を誇るルクセンブルクは12位で、経済的富と、サステナブルな価値の違いが出ている。主な国では、米国29位、中国32位、ロシア43位、もっとも低い国はイラク(180位)などとなっている。http://rief-jp.org/ct4/66801

 

 日本は20位で、昨年の15位から5つのランクダウン。分野ごとにみると、自然資本が105位、ガバナンス20位、知的資本9位、資源マネジメント106位、社会的結束(社会資本)7位とそれぞれ、評価されている。昨年は日本は総合ランキングでアジアで最も高かったが、今年は韓国に抜かれている。

 

SCI3キャプチャ

 

 その韓国は16位につけたが、昨年の40位から大躍進を果たしたことになる。何がこの1年で韓国の「サステナブルな競争力」を高めたのか。分野別にみると、自然資本は149位、ガバナンス17位、知的資本は1位、資源マネジメント157位、社会的結束8位となっている。知的資本、ガバナンスで日本を上回り、社会的結束ではほぼ同じくらい、という評価だ。特に知的資本でトップの評価を得たことが大きい。

 

 国の評価には、格付け機関による国別信用格付けがある。信用格付けは経済面での評価だが、本調査では信用格付け評価をGSCI評価で再調整した格付けも公表している。それによると、カナダやドイツは、信用格付けがAAAで、GSCI調整格付けもAAAとバランスしている。

 

 日本は信用格付けA+に対して、調整後はAAと2段階アップする。米国はAAAからAAに2段階ダウン、GSCI調整でもっとも大きく格付けが上がるのがアルゼンチン。信用格付けはCCC+とジャンク債の扱いだが、自然資本等の評価が高く、GSCI調整後はBBにランクアップする。

http://solability.com/the-global-sustainable-competitiveness-index/the-index?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=the_2017_sustainable_competitiveness_index_scandinavia_northern_europe_dominate_us_set_to_decline_under_trump_proposed_policies&utm_term=2017-11-08