東シナ海で沈没したイランの石油タンカー「Sanchi」号からの流出油、奄美大島の海岸に大量漂着。オオミズナギドリの死骸も。グリーンピース調査(RIEF)
2018-02-20 07:10:30
こうした実態から、グリーンピースは、政府に対し、4つの項目について、早急かつ適切な対処を要請した。
要請内容は①事故現場や油類漂着現場の生態系への影響を見極めるため、中長期的なモニタリング体制の構築と、影響を除去・緩和する計画の作成・実施②漂着油の除去後も、砂に入り込んだり、岩などにこびりついた油の100%除去は困難なため、継続的なモニタリングとモニタリング・データの情報公開を行う③海洋生態系や海水調査の結果を地元住民に積極的に公開する④国際的な調査チームをつくり、そのデータを他国と共有する――など。
奄美大島での現地調査では、油の漂着物は東シナ海に面する北西の海岸に広がっていることが確認された。奄美市の朝仁海岸や大浜海浜公園では回収作業が進み、回収された漂着物はドラム缶に回収され、野積みされている。一方、奄美市知名瀬(ちなせ)の砂浜や龍郷町円集落付近の捨川(すてご)の砂浜では、油の漂着物が回収されないまま、大量に流れ着いている。
知名瀬の海岸で発見した、油が付いた海鳥オオミズナギドリの死骸については、グリーンピースが現地調査の環境省に報告、同省がその死因を調査中という。
油の除去作業は、自治体や環境省のサポートにより、随時進められている。周辺の環境影響調査も、環境省がサンゴ礁や藻場などの水中も含めた調査を、随時行なっていると発表している。
水産庁は、タンカーが沈んだ東シナ海で、水産資源や漁場に油による影響を水産研究・教育機構に委託して16日から調査を開始しており、4月上旬にはその結果が公表される予定という。
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2018/pr20180216/