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安全な水確保へ、国連目標を一部達成(AFP)

2012-03-07 21:30:35

水汲みをする子供たち、イラク
【3月7日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)と世界保健機関(WHO)は6日、2015年までに安全な飲み水が入手できない人の割合を半減するという目標を、2010年末に早期達成したと発表した。両組織は報告書で、給水管や飲用井戸の普及により、1990年~2010年の間に20億人が新たに安全な水を得られるようになったと述べた。

水汲みをする子供たち、イラク


 今回達成した目標は、国連加盟国が採択したミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)が掲げる8つの目標のうちの1つ。ミレニアム開発目標は、貧困層の生活環境の改善やエイズ(HIV/AIDS)感染の予防を目指して2000年に採択された。

 アンソニー・レイク(Anthony Lake)ユニセフ事務局長は、「特に子ども達にとって喜ばしい。毎日3000人の子どもが下痢症疾患で亡くなる中、目標の達成は子どもの命を救う大きな力になるだろう」と語った。

 報告書によると、2010年末時点で世界人口の89%にあたる61億人が、以前より安全な飲み水を得られるようになっており、2015年には92%に達すると予測している。

 一方、現在トイレなど基礎的衛生施設のない人は約25億人にのぼる。報告書では、2015年を期限とした基礎的衛生施設がある人の割合を75%にする目標は達成が難しいと見ており、2015年末で67%にとどまるとしている。

 レイク事務局長によると、いまも安全な飲み水を得られていないのは世界人口の11%にあたる7830億人。安全な水を得られる人の割合は南米やカリブ海諸国、アフリカ北部地域、アジア諸国の大半で90%に達しているのに対し、サハラ以南のアフリカ地域では61%にとどまっている。

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2863474/8606585