HOME |現地農民が伊藤忠のマニラ支社前で問題を訴え(FOE) |

現地農民が伊藤忠のマニラ支社前で問題を訴え(FOE)

2012-03-15 12:02:25

『イサベラ州住民にとって災いの種である伊藤忠、日揮、GFII、ECOFUELのバイオエタノール事業を中止して!」
3月13日、ルソン島北部にあるイサベラ州から32名の農民の代表らがマニラ首都圏を訪れ、伊藤忠などの日本企業が進めるバイオエタノール事業に対し、抗議の声をあげました。

『イサベラ州住民にとって災いの種である伊藤忠、日揮、GFII、ECOFUELのバイオエタノール事業を中止して!」


農民らは、マカティ市にある伊藤忠商事マニラ支社とパシグ市にある Green Future Innovations Inc. (GFII 社:バイオエタノール製造・発電を行う現地企業。伊藤忠商事と日揮が75%を出資)本社の入っているビルの前で、横断幕やプラカードを掲げて、バイオエタノール事業の問題を訴えました。

「バイオエタノール事業で私たちの生活がよくなると言われましたが、農地を収奪されたり、農業労働者として働いても賃金が支払われなかったり、生活は逆に悪くなっています。農地を返してください!」

そして、イサベラ州から持ってきたというサトウキビを伊藤忠とGFII社の入っているビルの前に並べて、こう叫びました。

「このサトウキビは、ECOFUEL社(原料であるサトウキビの栽培・供給を行なう現地企業)が自分たちの合意無しにサトウキビを植えた農地から、引き抜いてきたものです。企業にサトウキビを返すために持ってきました!」

農民団体(KMP:フィリピン農民運動とDAGAMI:イサベラ州農民組織)は、伊藤忠とGFII社に、3月13日の会合を申し込んでいましたが、伊藤忠は「現地の問題については、現地企業が回答します」との理由で、また、GFII社は「マニラ本社には総務しかいないので、イサベラ州の事務所で会合を持ちます」との理由で、会合を断ってきたとのことです。

しかし、3月8日にイサベラ州庁舎で行なわれた農民団体DAGAMIとイサベラ州知事との対話集会には、DAGAMIからGFII社、および、ECOFUEL社に招待状を出したにもかかわらず、事業者からの出席者は一人もいない状況でした。

必要なのはエタノールではなく、農業へのサービスと土地の権利』などと書かれたプラカードや横断幕を持ち、問題を訴えるイサベラ州の農民ら(i伊藤忠マニラ支社前)


同バイオエタノール事業は、今年5月に商業生産を開始する予定ですが、日本企業、および、現地企業は、未解決の問題があり、また、同様の問題が拡大してきているなかで、農民・先住民族の生活・権利が深刻な影響を受けている事実を重く受け止め、早急かつ積極的な対応をとることが求められています。


http://www.foejapan.org/aid/land/isabela/20120314.html