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カナダのトルドー首相、2021年から使用済プラスチックの使用禁止を宣言。ペットボトルやポリ袋等が対象の見込み。EU規制に触発。日本のポリ袋有料化策に「出遅れ感」(RIEF)

2019-06-11 13:10:45

Canada11キャプチャ

 

 カナダのジャスティン・トルドー首相は10日、使い捨てプラスチックの使用を2021年にも禁止すると発表した。対象は、ペットボトル、ポリ袋、ストローなどの見通し。先にEUが使い捨てプラ食器等の使用禁止指令を承認したことに触発された、としている。日本はポリ袋の有料化を検討しているが使用禁止にまで踏み込めず、対応の遅さが目立っている。

 

 カナダ政府は、科学的な評価を踏まえて、使用禁止対象を選定するとしているが、使用量の多いペットボトル、ポリ袋等が対象になるとみられる。

 

 カナダが参考にしたのは、EUが5月に正式に決定した使い捨てプラスチック食器等の使用禁止措置。EU加盟国は2021年までに国内法を整備して、使い捨てストローのほか、使い捨てのプレート、ナイフ・フォーク、マドラー等、風船のプラスチックの取っ手、タバコのフィルター、綿棒、ウエットティッシュなどを使用禁止にする。http://rief-jp.org/ct12/90077

 

 EUではペットボトルは、回収目標を2029年までに90%とする。これらのEUの新規制で欧州の海岸を汚す廃プラごみが70%減ると推計されている。

 

 トルドー首相は、EU規制に触発されたことを認めたうえで、「子を持つ親として、自分の子どもに、海岸に流れ着いたクジラのお腹からプラスチック袋が大量に出てきたことをどう説明できるだろうか」と自問。「子どもたちを海岸に連れて行った際、ストローやペットボトル等のない砂浜を探すのに苦労するのが現状だ。親として何とかしなければならない段階にきている」と強調した。

 

 カナダでは現在、プラスチックの回収率は10%以下でしかない。プラスチック容器の使用を認めたうえで回収する方式には限界があり、使用禁止がもっとも効果的との判断による。禁止対象は、生分解性の高い植物由来プラスチック等で代替できる製品をまず対象とし、段階的に拡大するとみられる。

 

 EUの場合、使い捨てプラを禁止し、代替製品に切り替えることで、年間2億5900万~6億9500万ユーロのコスト増になると試算されている。カナダの場合、どれくらいのコストになるかは現時点では不明。ただ、各国でプラ代替製品の開発が広がると、コストダウンも見込める。

 

 先月には、カナダから2013~14年にかけて、フィリピンに輸出された廃プラなどの「資源ごみ」コンテナ100台分が廃プラではなく、家庭ごみや使い捨てのおむつ等だったことが発覚、ドテルテ比大統領が、ゴミの強制返還を要求するなど、外交問題にも発展していた。https://rief-jp.org/ct4/89913

https://www.theguardian.com/world/2019/jun/10/canada-ban-single-use-plastics-bags-bottles-straws-2021