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インドネシア、「再生資源」として米国シアトルから輸入した「コンテナ」5台の中身が、廃プラ、使用済おむつなどのゴミだった、として返送(RIEF)

2019-06-16 15:49:05

indoneshia2キャプチャ

 

 インドネシアの環境森林省は、米国から輸入した資源回収ごみが、おむつや廃プラスチックなどだったとして、ごみの入ったコンテナ5個を、米国に返送したと公表した。東南アジアでは、フィリピン、マレーシアでも資源ごみの返送問題が発生しており、日本を含む先進国のゴミ処理体制の不備が国際的に露呈している。

 

 インドネシア等での報道によると、米国に返送したごみは、カナダ企業が、米シアトルから紙類の「再生資源」として、インドネシア第二の都市、スラバヤに輸出した。ところが、その中身は、再生資源ではなく、使用済おむつや、廃プラスチック、木材、使い古された衣服、靴、ペットフードなどだったという。

 

 インドネシアではごみの輸入は認められていない。廃プラスチックも、再生資源でない限り、輸入禁止の対象になる。にもかかわらず、大量の「再生資源」が実はごみだったわけで、インドネシア政府関係者は「インドネシアは『先進国のごみ捨て場』になる意思はない」と反発している。

 

「再生資源」の名で輸入される「廃プラスチック」
「再生資源」の名で輸入される「廃プラスチック」

 

 同国の環境NGO「Ecoton」のArisandi氏は「紙製造企業が、使用済紙類として再生利用のため輸入したのものだった。そこに廃プラや使用済おむつ、食べ残しプラ容器等が入っているとは。直ちに送り返すべきだ」と輸出先を批判している。

 

 今回のごみは米国からの輸入だったが、インドネシアにはオーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどの先進国から「資源ごみ」が再生のために輸入されているという。先進国のごみ輸出は中国が2018年初めに海外からの輸入を禁止して以来、輸出先が東南アジア諸国へ代わっている。

 

 インドネシアの場合、2018年の廃プラの輸入量は前年比141%増となっている。廃プラ輸入量は28万3000㌧で、過去10年でみて、もっとも高い輸入量だった。

 

 インドネシア環境法センター(ICEL)の研究員のAnnisa Erou氏は「ごみを輸入することは明らかに法に違反する。廃プラも同様だ。再生可能な資源プラの輸入は認められているが、消費済みの食べ残し等が混ざったプラ容器はごみであり、輸入対象ではない」と指摘している。

 

 Erou氏は、同国の税関では産業用原材料の輸入は痛感し易く、「再生資源」や「その他」と称してごみを輸入するケースが増えているという。

 

コンテナに詰め込まれたごみを告発するマレーシアの環境相
コンテナに詰め込まれたごみを告発するマレーシアの環境相

 

 

 東南アジアではごみをめぐり、隣国マレーシアが先月、輸入したプラスチックごみ数百トンを日本を含む輸出先の先進国に送り返すと宣言。フィリピンでは、ドテルテ大統領が同国に持ち込まれた大量のごみをカナダに送り返すよう命じ、両国間の外交問題に発展していた。https://rief-jp.org/ct9/90303

https://rief-jp.org/ct4/89913

https://mnews.world/en/indonesia-vows-to-send-back-illegal-plastic-waste/