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人類による地球の自然資源過剰消費、本日(7月29日)で今年の分を使い果たす。後は地球への負荷のみ増大。日本流の生活でも地球2.8個が必要。環境NPOのGFNが報告(RIEF)

2019-07-29 13:26:34

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   人類は年間の消費可能な自然資源の本年の割り当て分を、7月29日の今日、使い果たしてしまう。国際NPO「Global Footprint Network(GFN)」が自然資源を過剰消費する日(Earth Overshoot Day)を公表した。昨年は8月1日だったので、3日悪化が進んだことになる。過去20年をみると、2ヶ月も早まっている。人類が水、土、新鮮な空気などを現在のペースで消費すると、地球1.75個分が必要になる。

 

 (写真は、昨年のアースオーバーシュートデーのイベントで、オレンジを地球に見立てて過剰消費分をカットするところ=AFPより)

 

 GFNは報告書で、「アース・オーバーシュート・デーが7月29日に到来するということは、地球の生態系が再生するよりも1.75倍のペースで資源を使っているということになる」と指摘。人類にとっても、地球にとっても、持続可能ではないと強調している。

 

 GFNは、1986年から人類の旺盛な自然資源消費を算出している。過剰消費の節目ともいえるアース・オーバーシュート・デーは1993年は10月21日だったが、2003年は9月22日、2017年は8月2日、18年8月1日、そして今年が7月29日と、過去もっとも早くなった。

 

GFN1キャプチャ

 

 人類による「地球の過剰消費」の結果、森林破壊や土壌浸食、生物多様性の消失、海洋汚染、大気中のCO2の増大等の形で、地球の各所が悲鳴をあげている。生態系の劣化だけでなく、CO2増大は、気候変動を激化し、人類の存在自体を脅かす形になっている。

 

 国別では、すべての人類が米国流の生活をすると、1.75個どころか、5個の地球が必要になるという。日本流の生活でも、2.8個分が必要で、日本人の生活も持続可能ではないことになる。日本の現状の自然資源消費生活は、日本7.7個分の過剰消費に相当する(輸入に依存している)ことになる。

 

GFN5キャプチャ

 

 GFNは過剰消費を解消する方法も示している。人類全体が自動車の使用を半減させ、自動車で使う走行距離の3分の1を公共交通機関に切り替え、残りの3分の2を徒歩か自転車等にすると、過剰消費日は12日改善する。食品廃棄物の半減させると11日改善、肉の消費を半減させて菜食に切り替えると5日の改善、人類全体が世界平均のカロリー摂取量にとどめると、38日の改善などだ。

 

 GFNの創設者であるマティス・ワケナゲル(Mathis Waclernagel)氏は、「われわれには地球1個しかない。このことは結局、人類の存在を定義するものだ。私たちは破滅的な影響を受けることなく、現状のように地球1.75個分を消費することはできない」と訴えている。

 

https://www.footprintnetwork.org/2018/07/23/earth-overshoot-day-2018-is-august-1-the-earliest-date-since-ecological-overshoot-started-in-the-early-1970s-2/