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チリによるCOP25の開催返上、グレタさんを含め、チリを目指していたNGOや市民団体らは「立往生」。「あえてチリに行く」と、会場よりも市民団体の交流優先のグループも(RIEF)

2019-11-01 22:19:02

COP4キャプチャ

 

 

  チリが国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の開催を返上したことで、スペインが代替地に名乗りを上げたが、COP25参加を目指しているNGOらの間に困惑が広がっている。チリ開催を前提で準備していたNGOらは格安航空券や予約ホテルが無駄になるほか、イベントの断念等に直面するためだ。

 

 (写真は、チリを目指してオランダ・アムステルダムを船出した若者たちと「ゼロエミッション船」)

 

 COP25を目指して南北アメリカ大陸を移動しているスウェーデンの環境活動家、グレタ・ツゥーンベリさんは、現在、ロサンゼルスに滞在中。ロスからはチリまで再びヨットで移動する予定だったという。グレタさんはヨットに乗る前に、チリからの報道を知った。

 

グレタさんは、ロサンゼルスでチリ行きヨットに乗船する前だった
グレタさんは、ロサンゼルスでチリ行きヨットに乗船する前だった

 

 仮にスペインでの開催に決まった場合、ニューヨークに戻って再び大西洋を渡ることになりそうだが、ニューヨークからの帰りのヨットをうまく準備できるかは、未確定だ。

 

 グレタさんの「地球のための大西洋横断」に続けとばかり、「温暖化対策を求める登校拒否(School Strike)」に賛同するベルギーの若者たち36人もショックに見舞われた。彼らは「COPへの船出」を合言葉に、ゼロエミッション船「Regina Maris」号で大西洋を横断、南米に上陸することを目指していた。

 

 「Maris」号は、オランダ・アムステルダムを10月2月に初めに船出した。だが、途中、水浄化システムの不具合で、フランスに滞在中に、ニュースを聞いた。大西洋に出る前に立ち止まっていたことが、不幸中の幸いともいえた。

 

 ただ、若者たちは、迷った末に、COP25がスペインで開かれる場合でも、南米で他のNGOや市民団体との交流を優先し、航海を続けるつもりという。COPの会場よりも、国境を超えたNGOや住民団体等との人の交流を最優先させる判断のようだ。

 

大西洋を横断中のjamesさん
大西洋を横断中のJames Levelleさん

 

 すでに大西洋を横断中の活動家もいる。英映画監督のJames Levelle氏だ。同氏は、英国からチリのサンチアゴまでの7000マイル(約1万1265km)を100日間で化石燃料無しの取材旅行を計画、現在、大西洋のど真ん中を航海中という。同氏のサポーターは「Jamesは、チリでのCOPがキャンセルされたことを知らないかもしれない」と語っている。

 

 他の参加者の中でも、NGOや市民団体等は、チリまでの航空券を経済的理由で格安チケット(予約変更不可能)で手配したり、格安ホテルを予約していたところが多い。こうした場合、予約はキャンセルせざるを得ず、予約金も戻ってこない。ラテンアメリカの350.orgのスタッフは、「スペインへの変更で、経費は倍になってしまう」と述べている。

 

https://www.theguardian.com/world/2019/nov/01/chile-climate-cop-25-conference-summit-atlantic