英エリザベス女王。今冬から毛皮コートをやめて、フェイクファーのコートに切り替え。「脱毛皮」宣言へ。王室衣装担当者が明かし、バッキンガム宮殿も認める(RIEF)
2019-11-11 15:21:34
英王室はこのほど、英エリザベス女王が今冬から、公務に出かける際に本物の毛皮コートを着るのをやめて、フェイクファーのコートに切り替えると発表した。
バッキンガムパレスのスポークスパーソンの発言は、王室勤務25年に及ぶベテラン衣装担当のアンジェラ・ケリー氏がこのほど発表した著書の中で、女王陛下の「脱毛皮コート」を明らかにしたことを認める形で発表した。
ケリー氏は女王陛下の個人的アドバイザーであり、シニア衣装担当でもある。彼女は著書の発行を受けたVogue誌とのインタビューで、女王陛下は、冬の公務などにお出かけの際には、今年から、本物の毛皮のコートなどの代わりに、フェイクファーの衣装に切り替えると述べていた。
英動物愛護団体のHumane Society International UKはこの報道を受けて、「女王陛下が公式に脱毛皮をされたことに興奮している。国の元首が毛皮を着ることを否定したのは、毛皮はもはやファッションではなく、英国ブランドにはふさわしくないとの力強いメッセージだ」との称賛コメントをFacebookで発信した。
バッキンガム宮殿スポークスパーソンは、女王陛下が所有する既存の毛皮コートをすべてフェイクファーに切り替えるか、あるいは今後、女王は一切、本物の毛皮コートを着ないか、と言った点については明確にしていない。「多分、既存のものは私的には着るのではないか」と、プライバシーを尊重する姿勢をとっている。
動物愛護団体等は、女王陛下の決断を受けて、英政府に対しても、世界に先駆けて毛皮の販売禁止に踏み切る国になるよう呼びかけている。英国は約20年前に、国内での毛皮を取るための動物飼育業を、冷酷すぎるとして禁止している。動物愛護団体は「毛皮の生産だけでなく、毛皮の販売も禁止する国になってほしい」と求めている。
実際、ファッションの世界でも脱毛皮は進んでいる。昨年開いたロンドンファッション・ウィークでは、モデルたちは冬物衣装でもフェイクファーを着こなし、初めて脱毛皮を宣言した。
女王陛下の「脱毛皮」は各方面で評価されているが、一点、懸念されるのが議会演説の際にまとう儀式服。実は、同儀式服には、アーミンと呼ばれるオコジョの毛皮が使われているという。女王の議会演説は重要な公務。儀式服もフェイクファーに切り替えるかどうかは、ブレグジットの行方とともに、英国の成否を占う賭けの対象になりそうだ。
天皇皇后両陛下の即位祝賀パレードには多くの国民が集まった。自然を大切にされる日本の皇室にも、エリザベス女王の「切り替え」を真似てもらいたい。
https://edition.cnn.com/style/article/queen-fake-fur-scli-intl/index.html