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ロシア、エネルギー開発に外資活用へ=セチン副首相(WSJ)

2012-04-23 16:53:36

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【ニューヨーク】ロシアのセチン副首相は北極圏や黒海での資源開発に米エクソンモービルをはじめとする外国企業の投資を活用したい意向を示した。ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに応えた。

 

セチン副首相はロシアの原油生産量のうち、2030年までに最大40%が北極圏周辺の海域や黒海の未開発資源から生産されるとの推計を示した。セチン氏はロシア大統領に返り咲くプーチン氏の支持者。インタビューは18日に行われた。

 

エクソンモービルとロシア石油大手で国営のロスネフチは先週初め、北極圏周辺と黒海で資源開発を行う合弁事業で合意。両社の見通しによると、合弁会社が生産する原油とガスは最終的におよそ900億バレル(原油換算)に上る。しかし、両社はまず、厳しい気象条件の下で原油を掘り当てなければならず、それから、複数の大規模空港やパイプライン、氷山の衝撃に耐える石油プラットフォーム数十基の設置に取り組む必要がある。

 

両社の合意によると、エクソンは黒海と北極圏周辺海域で原油を生産する合弁企業について3分の1の権利を保有する。また、ロスネフチはエクソンが北米で保有するプロジェクトのうち3件について、一部権益を取得する。

 

セチン副首相は合弁事業について、「長期的にわたる共同作業だ。30年、40年、いや50年続くだろう」と述べた。また、「われわれは米ロ両国で何十万という人々に雇用を与えることになる」と述べた。

 

セチン副首相は近い将来、同様の提携が他の企業とも行われるとの見通しを示した。ロスネフチとエクソンとの提携は「非常に特別なものだが、他にもあるだろう」と述べた。

 

サウジアラビアと世界一の座を競うまでの原油生産国となったロシアは在来型のエネルギー資源が減少しつつある中で生産量を維持する難しさを認識しており、これがロシアが外資呼び込みに動いた背景にあるとみられる。

 

上場企業として世界最大の石油企業であるエクソンは毎年、新たな埋蔵量を確保する必要があり、ロスネフチとの合意はエクソンにとっても好都合だ。

 

セチン副首相は、エクソンモービルとロスネフチは主要プロジェクトに今後数十年で2000億ドルから3000億ドル(約16兆円から24.5兆円)を投資する可能性があると述べた。

 

ロシア政府はリスク軽減を目的に、原油開発プロジェクトに対する課税を緩和する。セチン副首相によると、ロシアに駐在した経験があるエクソンのティラーソン最高経営責任者(CEO)は、プーチン氏にさらに有利な条件を提示するよう直接依頼したという。

 

ロシアの石油資源開発への外資参入はこれまでの10年間、遅々として進まなかった。

 

ロスネフチと英石油大手のBPは北極圏での石油開発で提携することで協議していたが、BPと別の現地企業との間で係争が起き、提携話は昨年、破談に終わった。また、先月にはフランスのトタル、ノルウェーのスタトイル、ロシアのガスプロムが参加している北極海のシュトクマン天然ガス田に関する最終決定が延期された。

記者: Ángel González

http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_430812/?nid=NLM20120423