HOME13 原発 |環境省、指定廃棄物基準の2倍以上の高濃度汚染のコンクリートがれきを土木工事に供給。「職員の誤った指示」と説明。環境省自身が、環境汚染・放射能汚染を引き起こした形に(各紙) |

環境省、指定廃棄物基準の2倍以上の高濃度汚染のコンクリートがれきを土木工事に供給。「職員の誤った指示」と説明。環境省自身が、環境汚染・放射能汚染を引き起こした形に(各紙)

2020-03-14 23:16:15

fukushimaiidateキャプチャ

 各紙の報道によると、環境省は、福島県飯館村で保管していた放射性濃度が1kg当たり1万9300ベクレルの高濃度のコンクリートがれきを、村内の土木工事に使っていたことがわかった。民間事業者が他の廃棄物と区分して保管していたにもかかわらず、同省職員が誤った指示を出し、土木工事に使ったという。同省では、「早急に回収し、適正に処理する」としているというが、環境省自身が環境汚染・放射能汚染を広げる行動をとったことになる。

 NHKが報道した。環境省によると、「1kg当たり8000ベクレルを超える廃棄物については、環境大臣が指定廃棄物として、国の責任のもと、適切な方法で処理する」としている。今回、同省が土木事業用に使ったのは、福島県飯舘村で民間の事業者が一時保管していたコンクリートがれき約170kg分。放射性物質濃度は指定基準の2倍以上の1万9800ベクレルあったという。

 同廃棄物については、同省が昨年11月に指定廃棄物に指定し、専用の処分場に運ぶ予定になっていた。処分場に運ぶまでの間、民間事業者が一時保管の形で、他の廃棄物とは混ざらないように、囲いを設けるなど、法令に定められた基準を守って保管していたという。

 ところが、「環境省の職員が誤った指示を行い、ほかの廃棄物と一緒に運んでしまった」という。また、ほかの廃棄物と一緒に村内の土木工事に使用されていたことがわかったのは、先月20日としている。同省が自らのミスを見つけ、NHKが報道するまでに、約20日もかかった計算になる。

 報道では、「土木工事が行われた場所の空間線量は周辺と同じ程度」としており、コンクリートがれきを土木事業によって地面より深く埋めてしまったようだ。同省のコメントとして「指定廃棄物を含む資材を早急に回収し、適正に処理する」と説明しており、まだ掘り出していないことを伝えている。「早急に」というのは、同省の場合、どれくらいの時間軸を想定しているのか不明だ。



 NHKは同省のさらなるコメントとして「村や住民の皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ありません。多くの指定廃棄物の処理が控えるなか、あってはならないことで、今後は絶対にこのようなことがないよう努めていきたい」としている。だが、なぜ、そうした誤りが生じたのかという原因の説明は伝えていない。

 失敗したり、ミスが発覚した後に「謝罪」するのは、安倍政権が何度も展開するパターンだが、失敗の原因は説明せず、謝罪の言葉だけで、責任を取ろうとしない点も共通のパターンだ。本当は、これまでも環境省は放射能廃棄物減少のため、同様の「誤った指示」を常套化し、汚染廃棄物を各地に分散させてきたが、今回は民間事業者に見つかって謝らざるを得なかった、ということではないのか、との疑念も生じる。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200313/k10012330331000.html?utm_int=news-culture_contents_list-items_004