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ウクライナのチェルノブイリ原発「居住禁止区域」で発生した森林火災。放射線量が通常より16倍強の上昇。違法伐採隠滅の放火か。当局は「アンダーコントロール」と言明(RIEF)

2020-04-08 23:46:39

Chelnobyle1キャプチャ
  先週末、ウクライナのチェルノブイリ(Chernobyl)原発事故の居住禁止区域で、大規模な森林火災が発生したことで、 同国の生態学調査当局のEgor Firsov(エホール・フィルソフ)氏は「放射線測定器のガイガーカウンターが通常よりも16倍の放射線量を計測した」と公表した。これに対して、同国当局は、同氏の主張を否定、「火災はまだ燃えているが、アンダーコントロールだ」と説明している。

 森林火災は、チェルノブイリ原発から約30km離れたところの居住禁止区域で3日に発生した。当初、20haのチェルノビルスク地帯で発生したが、その後、火災面積は100haに拡大している模様。政府は航空機2機とヘリコプター1機、消防士約100人以上を出動させて消火に当たっているが、8日現在も鎮火はしていないという。

 

 フィルソフ氏はこの状況を「火災の中心部では放射線量が通常値を16倍も超えている」とフェイスブック(Facebook)に投稿。放射線測定器のガイガーカウンターが通常の16倍の放射線量を示す動画も公開した。同氏は測定器を示し「通常は数値は0.14前後。だが現在は2.3にまで上昇している(下記の画像では2.6にまで上昇)。しかもこれは火災の周辺地域での計測値に過ぎない」と述べている。

 

chernobyl2キャプチャ
 さらに同氏は、火災が人為によるものであることも指摘している。居住禁止区域の森林を違法伐採してその痕跡を隠すために放火した、としている。違法伐採された木材は、放射性濃度が高いまま、出荷されたと想像される。

 

 森林火災によって大気中に巻き起こされた放射性物質は、近隣の農場等に降り注ぎ続けていることになる。フィルソフ氏はこうした意図的な放火はこれまでも再三あったとして、違法伐採と放火に対する監視の強化と罰則引き上げを求めている。

 

 フィルソフ氏の指摘に対して、ウクライナの地域政府は、森林火災による放射線濃度のレベルは安全な範囲を超えてはいない、との声明を出し、同氏の指摘を否定した。首都のキエフや居住禁止区域での放射線量のレベルは、1986年のチェルノブイリ原発爆発事故後に設定されたものだが、今回の火災によっても、許容値を超えていないという。本当かな?

https://uk.reuters.com/article/uk-ukraine-chernobyl-fire/ukraine-fights-fires-in-chernobyl-zone-says-no-radiation-jump-idUKKBN21P2A4?rpc=401&

https://www.facebook.com/egor.firsov/posts/3393942833955376