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フィンランドで欧州最大の発電能力の原発(オルキルオト3号機)が本格稼働。建設から18年がかり。同国の電力の14%を供給可能。ロシアへのエネルギー依存からの脱却に期待(RIEF)

2023-04-18 18:01:54

OL3キャプチャ

 フィンランドで建設が進められていた欧州最大の発電能力を持つオルキルオト原発3号機(OL3)が16日、本格稼働した。当初の建設開始から18年がかりで稼働にこぎ着けた。フィンランドの電力供給の14%を発電できる見通し。同国では、ロシアのウクライナ侵攻後のNATO加盟等の影響で、ロシアからの電力やガスの供給が停止するなどの事態が起きており、同原発の稼働でエネルギー供給の安定化につながると期待している。

 オルキルオト原発は同国南西部に位置し、すでに沸騰水型(BWR)の1号機(1979年稼働)、同2号機(1982年稼働)が稼働している。OL3は欧州加圧水型炉(EPR)で、国内の電力需要増大に対応するために計画され、当初は2013年に稼働の予定だった。しかし、建設は2005年に始まったが、技術的な課題等が生じたほか、安全性を高めたEPRの特徴とされる「二重封じ込め構造」の構築等にも時間がかかり、当初の稼働予定から10年遅れ、建設から18年かかって稼働した。

 OL3の発電量は出力160万kW。建設は仏アレヴァで独シーメンスが途中まで関与した。事業の運営会社は同国の公益事業サービスのFortumと他のエネルギー企業等で構成するコンソーシアムが共同保有する Teollisuuden Voima (TVO : フィンランド産業電力)社。国際原子力機関(IAEA)によると、フィンランドで新たに原発が本格稼働するのは40年以上ぶりとされる。同国ではさらに発電能力100~180万kW規模のOL4の建設計画も承認されているが、まだ建設には至っていない。

 OL3は昨年3月に試験運転をし、その数か月後に稼働が期待されていた。だが、その後、技術的な不具合が発見され、その修復に時間を要し、2022年中の稼働は見送られ、ようやく今回の稼働となった。

 TVOのCEO、 Jarmo Tanhua氏は「OL3の稼働は、電力価格の安定につながるとともに、フィンランドのグリーントランジションに重要な役割を果たすだろう」とコメントしている。OL3の稼働期間については少なくとも60年を見込んでいるという。

https://www.tvo.fi/ajankohtaista/tiedotteetporssitiedotteet/2023/olkiluoto3eprnsaannollinensahkontuotantoonalkanut.html