HOME13 原発 |東電汚染水貯蔵タンクの点検記録なし 規制委も一切監視せず。 放射能汚染水の海洋流出広がるなかで、安倍首相は「原発輸出」で中東歴訪へ出発(FGW) |

東電汚染水貯蔵タンクの点検記録なし 規制委も一切監視せず。 放射能汚染水の海洋流出広がるなかで、安倍首相は「原発輸出」で中東歴訪へ出発(FGW)

2013-08-24 15:02:20

「原発事故」を一切無視して、原発輸出のトップセールスにいそしむ安倍首相
「原発事故」を一切無視して、原発輸出のトップセールスにいそしむ安倍首相
「原発事故」を一切無視して、原発輸出のトップセールスにいそしむ安倍首相


各紙の報道によると、原子力規制委員会は23日、東京電力福島第1原発の地上タンクから高濃度汚染水が漏れた問題で、汚染水約300トンが漏れたタンクなどを現地調査した。調査に参加した更田豊志委員は、東電が汚染水貯蔵タンクの点検記録を残していなかったことを明らかにし「ずさん」と批判した。しかし、規制委自体も今回の調査まで点検記録の有無を全く把握していなかった。そんな中、安倍首相は中東への原発輸出のトップセールスのため出発した。
更田委員は調査後、報道陣に対し「異常を発見するには変化を見逃さない姿勢で臨まなければならない」と述べ、点検記録を残していなかった東電の姿勢を厳しく批判。毎日の点検経路や、定点で測定した放射線量をグラフ化するなど、タンクの状態変化を継続的に把握する体制を早急に構築する必要性を強調した。

また、東電が点検増強に必要な人員や資金を確保できなければ、規制委が国に支援を要請する考えも示した。ただ、規制委自体、放射能漏れが実際に生じている事故原発を扱っている東電を厳格に監視・指導する立場にあるにもかかわらず、今回の汚染水の海洋流出まで、タンクの点検記録の存在も把握していなかったことも明らかになった。また、タンクの締め付け部部が耐用年数が5年しかなくリスクが高いことを国会で指摘されていたにもかかわらず、それに対する対応策を東電に指示していなかったとみられる。

東電が事故後2年半にもわたって場当たり、手抜き対応を続け、規制委が監視機能を全く発揮できていないことは、国際的にも問題になりつつある。欧米メディアでは、東電の当事者能力のなさを超えて、日本政府の無策、危機感度の鈍さが、驚きをもって迎えられている。東電による放射能汚染水の海洋流出を拱手傍観の形で黙認している日本政府に対して、国際的な告発がなされる可能性も高まっている。

 

一昨年3月11日の事故は、主要な事故原因は依然不明ではあるものの、東日本大震災に誘発されたことは間違いなく、ある意味で、仕方がないとの同情論は少なくない。しかし、その後の東電・政府の原発管理体制のお粗末さは、「仕方がない」ではすまされず、今回の国際海洋汚染については「政府による未必の故意」で誘発しているとの指摘も出始めている。日本政府が意図的に汚染水をリークしているのか、あるいは、日本政府には汚染水を食い止める能力がないのか。どちらにしても日本に対する不信感が日増しに高まっている。

そんな中、安倍晋三首相は24日午前、ペルシャ湾岸のアラブ6カ国でつくる湾岸協力会議(GCC)加盟国のうちバーレーン、クウェート、カタールと、アフリカ東部ジブチの計4カ国歴訪に向け、羽田空港を政府専用機で出発した。原油や天然ガスの供給国であるGCC諸国との関係を強化し、資源の安定確保を図る狙い、というが、「フクシマ」処理を後回しにして、経済権益確保に走る姿は、ある意味で”異常”に映る。さらに、各国に対して原発プロジェクトをトップセールスすることも外遊目的に入っているという。

自国の原発事故に対応できず、豊かな国土・海洋に、チェルノブイリを上回る国際汚染のリスクをばらまきながら、海外に原発販売に出かける首相の姿は、ブラックユーモアの域を超えている。

 

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