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青森市 80km離れた東北電力東通原発の事故に備え 全市民分ヨウ素剤備蓄へ (東奥日報)

2014-01-19 23:13:21

東北電力東通原発。青森市から80Km離れているが。
東北電力東通原発。青森市から80Km離れているが。
東北電力東通原発。青森市から80Km離れているが。


青森市は14日、原子力災害時に市がとるべき措置を定めた「市原子力災害対策計画」の素案を公表した。甲状腺がんを防ぐ安定ヨウ素剤について、全市民約29万8千人の服用を視野に備蓄することを明記。

国の指針では、原発の半径30キロ圏内の住民を対象にした備蓄を関係自治体に求めているが、30キロ圏外には求めていない。青森市は東北電力東通原発から約80キロに位置するが、風向きなどで放射性物質が飛散するなど不測の事態に備え、住民の安全確保に努める。

 

ヨウ素剤の備蓄完了時期など詳細は未定。購入費用を市単独で負担するのか、県や国が補助するのかなどの課題も残る。鹿内博市長は「(市の新年度)当初予算の中で即計上できるのか、これから判断する」と説明。子どもの分を優先するなど段階的に購入することも視野に、国や県に支援を求めることも検討するという。

素案は、市が14日に市教育研修センターで開いた市防災会議で公表した。ヨウ素剤は市民配布用に「順次備蓄する」とし、保管場所として、市民病院や保健所などを挙げた。調製、服用方法は県の緊急被ばく医療マニュアルなどに従う-と記述した。

市危機管理課によると、原発30キロ圏外の自治体では、岐阜市や福岡市などがヨウ素剤備蓄に向けて準備を進めているという。

鹿内市長は他の公務で防災会議を欠席。市役所での報道陣の取材に「30キロ圏外であっても、福島の(原発事故の)経験を踏まえると不要という考えにならない。より安全、安心な形で対策を進める」とヨウ素剤備蓄の意図を話した。

素案では、東通原発30キロ圏内の東通村とむつ市の住民約6万3千人の受け入れ先になっていることから、避難所整備の必要性などについても盛り込んだが、具体的な避難先などの記述はなかった。東通村とむつ市の避難計画策定が済んでいないことが理由。それぞれの計画策定後、具体的な受け入れマニュアルを作るという。

青森市は来月中旬の次回会議を経て年度内の計画策定を目指す。

東通村は本年度中に避難計画を策定する方針。むつ市は、県が作業を進めている避難シミュレーションの結果を待って、2014年度の早い時期での策定を目指す。東通原発30キロ圏内の六ケ所村と横浜町の住民の広域避難先である弘前市は、本年度中に地域防災計画を修正、避難者の受け入れなどについて盛り込む予定だ。

http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2014/20140114230554.asp